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2025.07.22 PUBLISHING

【Publishing】松岡自伝『世界のほうがおもしろすぎた』刊行

松岡正剛初の自伝本『世界のほうがおもしろすぎた――ゴースト・イン・ザ・ブックス』が8月上旬、晶文社から発売となります。

 

 

本書は2023年12月から2024年2月にかけて、朝日新聞の名物シリーズ「語る―人生の贈りもの」のために、文化部記者の山崎聡さんによって行われた全十数時間におよぶインタビューのすべてを収めたものです。

 

同インタビューの内容は、山崎さん自身の手によってエッセンスが濃縮され、全14回の連載記事として2024年3月に朝日新聞に掲載されました本書はその山崎さんの協力を得て、改めてインタビューの全貌を再編集したものとなっています。

 

昭和19年に生まれ、戦後の混乱期に京都と東京を行ったり来たりしながら育んだ幼な心をめぐる話から、科学や新聞づくりに夢中になった幼少・青年期の出来事、大学紛争に巻き込まれながら徐々に自覚していくメディアづくりへの夢、伝説となった「ハイスクール・ライフ」やオブジェマガジン「遊」創刊の経緯やさまざまな先達たちとの出会い、編集工学を確立し超絶的なプロジェクトの数々を推進しながら見つめていた世界と日本の動向、2000年に始めた千夜千冊とイシス編集学校に賭けた思いや願いまで、松岡がいままであまり語ることのなかったエピソードや計画やその顛末などが次々と明かされていきます。松岡が30代から書き残してきた、単行本未収録あるいは未発表のものを含む全8本のエッセイも掲載しています。

 

編集は松岡正剛事務所、書籍デザインは松田行正さんと内田優花さん(マツダオフィス)。また近年撮影された松岡の肖像写真のベストセレクションも収録。

 

晶文社HPの紹介記事も御覧ください。

 

白いカバーに白い高帯が巻かれた端正ながら大胆なデザイン。帯のタイトルと松岡の名前は銀の箔押し。一見するとタイトルがどれなのかがわからないのも、本書の狙い。

 

本書の刊行は8月18日ですが、配本は8月8日予定ですので、早い書店ではそのころから店頭にお目見えすることになりそうです。またAmazonそのほかのオンライン書店でもすでに予約受付が始まっています。

 

なお、松岡正剛事務所では本書のほかにあと2冊の松岡本の刊行を8月上旬に予定しています。8月13日(水)に邦楽家の本條秀太郎さんを迎えて開催する「玄月音夜會」では、この3冊の完成披露および発売会も予定しています。

 

『世界のほうがおもしろすぎた―ゴースト・イン・ザ・ブックス』

晶文社 2025年8月18日発売 1900円(税別) 全400ページ

 

【目次】

第1章……正体不明のゴースト

■自己同一性がわからない

■科学のデーモンと精神のゴースト

■「粗より」という方法

──断章[フラグメント]1:「きのふの空」(『擬』第一撤)

 

第2章……「世界」のおもしろみとメディアへの憧れ

■殺されるくらいの気概をもて

■京都の「すい」、東京の「いき」

■理科少年の目覚めと抵抗

■「自分」の確立から遠のくということ

■新聞づくりと印刷技術に夢中になる

■革命的マルクス主義の前線で

──断章2:極上の迷宮(『概念工事』より)

 

第3章……アルス・コンビナトリア事始め

■「ハイスクール・ライフ」編集長になる

■稲垣足穂に翻弄される

■オブジェマガジン「遊」の誕生

■杉浦康平からの宿題

■誤解の「可能性」をあえて入れておく

■超絶アルス・コンビナトリアとそのコツ

──断章3:歳視記・2

 

第4章……すべてはアナロジーのために

■人が人を、噂が噂を連れてくる

■なぜ本に孔を空けたのか

■科学と精神と機械はまぜこぜに

──断章4:振舞の場所(『フラジャイル』より)

 

第5章……編集工学の胎動と脈動

■万博のパビリオンをつくる

■世界同時年表『情報の歴史』

■複雑系・割れ目・ノンリニア

■編集工学は「知」を自由にする技術

■企業人たちとの意外な交流

■トークは「装置」から考える

■高気圧先生の大学奮闘期

──断章5:頭の中で電話が鳴っている(「ハイパーリヴ」)

 

第6章……編集の国から生まれた学校

■90年代日本に対する危機感

■早すぎた「編集の国」構想

■「たくさんの自分」から始まる学校

■イメージメントとマネージメント

──断章6:埒外案内 2000年12月(一到半巡通信)

 

第7章……歴史の網目のなかで千夜千冊を紡ぐ

■千夜千冊は書評ではない

■千夜千冊達成と胃癌の顛末

■他者と自己の問題を再編集する

■千夜千冊を新たなエディションにする

■本棚の文脈が読める空間

──断章7: 編集工学的読書論(『學鐙』2024年9月)

 

第8章……虚に居て実を行う

■写真家たちのアート・ジャパネスク

■方法日本を奮い立たせる

■近江に思考の拠点を移してみると

──断章8:主客の遊び(『日本数寄』より)

 

◆松岡正剛年譜

◆あとがきに代えて