
- 2025.04.23 EVENT
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【EVENT】松岡正剛を偲ぶ「玄月音夜會」開催
松岡正剛は、生涯一編集者というモットーを貫き、2024年8月の突然の旅立ちの直前まで、休むことなく本を読み思索をし言葉を編み続けました。一方、さまざまなジャンルのアーティストと親交を深め、なかでも松岡自身が大好きな音楽家の方々とは、自ら亭主となって趣向を凝らしたサロンや夜会を開催しては音と言葉のコラボレーションを楽しんでいました。
そのような在りし日の松岡の「数寄三昧」を偲んで、松岡が大好きだった音楽家の皆さんをゲストにお招きし、ひととき思い出を音と言葉で振り返っていただく夜會を開催いたします。それぞれの音楽家が松岡とともにつくった楽曲の披露なども行います。また演奏会終了後は、ゲストを囲んでのワインとオリジナル料理による懇親会もご用意いたします。
申込方法は当記事のラストにまとめてご案内します。
玄月音夜會(げんげつおんやかい)
■開催日時
第一夜 6月12日(木) 19:30開演(18:30開場)
ゲスト:あがた森魚さん(シンガーソングライター)
第二夜 7月18日(金) 19:30開演(18:30開場)
ゲスト:山下有子さん(作曲家・ピアニスト)
第三夜 8月13日(水) 19:30開演(18:30開場)
★松岡正剛一周忌特別企画
ゲスト:本條秀太郎さん(邦楽家)
第四夜 9月10日(水) 19:30開演(18:30開場)
ゲスト:西松布咏さん(邦楽家)
第五夜 10月22日(水) 19:30開演(18:30開場)
ゲスト:井上鑑さん(作曲家・キーボード奏者)
第六夜 12月18日(木) 19:30開演(18:30開場)
ゲスト:小室等さん(フォークシンガー・作曲家・音楽プロデューサー)
第七夜 2026年1月28日(水) 19:30開演(18:30開場)
★松岡正剛誕生日特別企画
ゲスト:中村明一さん(邦楽家)
特別出演:小林啓子(フォークシンガー)
*毎回、まほろ堂蒼月さん(世田谷区宮坂)による季節の和菓子、および白百合醸造さん(甲州市勝沼)のワインと軽食による懇親の場もご用意いたします。
■開催場所
イシス館本楼(編集工学研究所1F)
世田谷区赤堤2-15-3 最寄駅:小田急線豪徳寺駅(徒歩6分)
■参加料金
本楼ライブ参加 16,000円(税別/飲食代込み) 各回限定40人
配信視聴参加 4,000円(税別)
*本楼ライブ参加・配信視聴参加のいずれの場合も、期間限定で動画配信を御覧いただくことが可能です(申し込み者限定サービス)
■参加申し込み方法
あらかじめ下記サイトより申込およびカートでの手続きが必要です。
◎第一夜 6月12日開催 ゲストあがた森魚さん
◎第二夜 7月18日開催 ゲスト山下有子さん
◎第三夜 8月13日開催 ゲスト本條秀太郎さん
第四夜 9月10日開催 ゲスト西松布咏さん
第五夜 10月22日開催 ゲスト井上鑑さん
第六夜 12月18日開催 ゲスト小室等さん
第七夜 1月28日開催 ゲスト中村明一さん・小林啓子さん
■お問い合わせ先
■出演者プロフィール
第一夜 6月12日(木)出演
あがた森魚 Agata Morio /シンガーソングライター
1972年、デビュー曲「赤色エレジー」で一躍時代の寵児となり、フォークロックや昭和歌謡の要素を取り入れた独特の音楽世界を紡ぎ続ける。映画も手がけ、これまで『僕は天使ぢゃないよ』(74)、『オートバイ少女』(94)、『港のロキシー』(99)の3本の劇場作品を監督、俳優としても活躍している。1977年、松岡正剛が雑誌「遊」の稲垣足穂追悼号のために、あがた氏に追悼曲を依頼したことをきっかけに二人の交友が始まった。松岡は生涯、「赤色エレジー」を愛唱歌としていた。2022年、デビュー50周年として刊行された伝記本『愛は愛とて何になる』には松岡のインタビューも掲載、タルホ的センスあふれるあがた氏の音楽の魅力を語っている。
第二夜 7月18日(金)出演
山下有子 Yamashita Ariko /ピアニスト&作曲家
1歳前後から父親の手ほどきによりピアノで遊び始める。1980年代後半よりピアニストとして活動を開始。詩人、ダンサー、写真、人形、映像などとの即興コラボを重ね、1999年、辻仁成監督映画『千年旅人』サウンドトラックCD『kanata』でメジャーデビュー。映画はヴェネチア映画祭に正式招待される。その後、映画やTVドラマの音楽を作曲。2023年12月20日にリリースしたCD『inishie』ではあがた森魚氏の「赤色エレジー」をワルツ仕立てに編曲している。FM京都「アリコ ピータースレストラン」DJもつとめる。松岡正剛はデザイナー羽良多平吉氏を介して山下氏と出会い、以来、その音楽性を応援、主催イベントでのコラボレーションほか、親交を重ねた。
第三夜 8月13日(水)出演
本條秀太郎 Honjo Hidetaro /三味線演奏家・作曲家
1971年に本條流を創流。三弦の持つ表現の自由闊達さに回帰し、各時代に各地域で自然発生的に歌い継がれてきた “うた”(自然民謡)を復元再生するとともに、それらの普遍的、民族的な躍動感や旋律をモティーフとする楽派「俚奏楽」を発表。1993年より江戸時代の端唄の全曲演奏に取り組む一方、古典の枠に留まらず、様々なジャンルの音楽、奏者と共演し、数多くの国内外公演を行っている。松岡正剛は本條氏の三味線と歌と声、またその作曲センスに惚れ込み、さまざまなイベントでコラボレーションしてきた。2014年~16年、三味線とトークによるサロンイベント「三味三昧」を本楼で共同開催した。松岡作詞・本條氏作曲による「かいかい節」がある。
第四夜 9月10日(水)出演
西松布咏 Nishimatsu Fuei /邦楽家・西松流家元 「美紗の会」「己紗の聲」主宰
6歳より長唄、三味線の手ほどきをうけ小唄・富本節・端唄・俗曲・新内・作詞作曲を修行。1981年、西松文一師に見出され地唄の修行を始める。90年に布咏の名で西松流を継承。地唄舞の地方として舞台で活躍する傍ら異ジャンルの音楽や詩、美術との融合に臨み新たなる可能性を探る「二ュアンスの会」を国内外で展開してきた。現在は東京・白金台を拠点に後進の育成に努めながら江戸中期の古曲から自作の現代曲まで「三味線と聲」に関わる演奏活動をしている。松岡正剛は西松氏の富本・地唄に心酔し、私的なサロンなどで交流と共演を重ね、邦楽に関心を寄せた知人達を西松氏のもとで稽古するよう勧めてきた。松岡作詞・西松氏作曲による「織部好み」がある。
http://www.misanokai.com/index3/profl_2.html
第五夜 10月22日(水)出演
井上 鑑 Inoue Akira /キーボード奏者・アレンジャー・プロデューサー
桐朋学園大学作曲科において三善晃氏に師事。大森昭男氏との出会いによりCM音楽作曲、スタジオワークを始め、寺尾聰「ルビーの指環」ほか、大滝詠一、福山雅治などとのコラボレーションにより膨大な数のヒット曲、話題作を生み出す。1981年シングル「Gravitations」、アルバム「予言者の夢」でソロデビュー。先鋭的サウンドとメッセージ性に満ちた言葉を駆使し通算20枚のソロアルバムを発表。2011年、書籍『僕の音、僕の庭』刊行。80年代後半、松岡正剛が監修したNTTのCM制作で井上氏が作曲を担当。以来、さまざまな仕事をともにしてきた。2013年より「連歌・鳥の歌」プロジェクトを主宰、松岡もカタルーニャ民謡「鳥の歌」にオリジナルの日本語歌詞をつくり参画。
https://www.akira-inoue.com/profile
第六夜 12月18日(木)出演
小室等 Komuro Hitoshi /フォークシンガー・作曲家・音楽プロデューサー
1960年代から音楽活動を開始、フォークグループ「六文銭」のメンバーとしても活躍。1971年、第2回世界歌謡祭にて『出発の歌』(上條恒彦+六文銭)でグランプリを獲得。1975年に泉谷しげる、井上陽水、吉田拓郎と「フォーライフレコード」を設立。その後、コンサート活動を中心に、イベントプロデュース、 テレビドラマ・映画・舞台の音楽制作、 ドキュメンタリー作品でのナレーション、ラジオパーソナリティ、 連載コラムの執筆など多岐にわたる活動を展開。松岡正剛との出会いは1970年代。松岡が編集長をつとめる「ハイスクールライフ」でオリジナル曲を発表する「六文銭晩歌集」を連載した。六文銭時代から現在にいたるまで、松岡が作詞作曲した「比叡おろし」を歌い継いでいる。
第七夜 2026年1月28日(水)出演
中村明一 Nakamura Akikazu /順天堂大学客員教授・作曲家・尺八演奏家・著述家
横山勝也師はじめ多数の虚無僧尺八家に尺八を師事。米国バークリー音楽大学で作曲とジャズ理論を学び最優等賞を得て卒業、ニューイングランド音楽院大学院修士課程作曲科及びサード・ストリーム科で奨学生として学ぶ。虚無僧に伝わる尺八音楽の採集・分析・演奏をライフワークとしつつ、ロック、ジャズ、現代音楽、即興演奏、コラボレーションなど幅広く活動。モントルー・ジャズ・フェスティバル、ブルーノート(NY)、ベルリン・フィルハーモニーホールなど海外からの招聘を受け、世界40カ国以上、150都市余で公演。松岡は中村氏の超絶的な演奏や音楽理論に注目し、数多くの主催イベントに招きコラボレーションしてきた。2024年、本楼で最新著『日本音楽の構造』の出版記念イベントを開催したが、松岡の緊急入院のため共演は適わなかった。
*特別出演
小林啓子 Kobayashi Keiko /フォークシンガー
聖心女子学院在学中から音楽活動を始める。1960年代 フォークブームの中、日本のジョーン・バエズと呼ばれ、1968年に来日したバエズのステージでその歌を披露し注目を浴びる。1969年 『こわれた愛のかけら』でデビュー。NHK テレビの人気音楽番組「ステージ 101」にてレギュラーで活躍。その後、松岡正剛の作詞作曲による『比叡おろし』 をはじめ、『恋人中心世界』 、『さよならをいう前に』、当時の国鉄 CM 曲 『レイルウエイ・ララバイ〜一枚のキップから〜』 をヒット曲させる。30年近いブランクの後、2002年に活動を再開し、以降は精力的にコンサート活動を継続している。