
- 2025.08.07 PUBLISHING
-
【PUBLISHING】松岡正剛初の書画集『Birds』8月12日から発売開始
松岡正剛一周忌の8月12日(火)、初の書画集『Birds』が発売になります。発行はデザイナーの町口覚さんが主宰する「bookshop M」。
本書は、セイゴオ他界後に書斎の片隅から見つかった、鳥のさまざまな姿態を描いた習作を、町口覚さんの編集・造本設計により一冊にまとめたものです。デザインは町口事務所の清水紗良さん。
自他ともに認めるアートの目利きだったセイゴオが、みずからも筆を持ち墨書に遊ぶようになったのは五十代でした。「オリジナリティにはこだわらない」「模倣こそが人類の想像力の創造力の源泉である」という哲学を持っていたセイゴオは、自分の作品のことも、あえて「遊書擬画」と呼んでいました。本書に収めた「鳥」の習作も、誰に見せるつもりもなく、日々の手すさびとして描いたものだったようです。そこから生み出した驚くほど自由な「鳥」の書も何枚か残されていました。
セイゴオは日本の花鳥画に頻繁に描かれてきた叭々鳥(ははちょう)が好きで、とりわけ桃山時代に制作された「叭々鳥図屏風」に強く惹かれていたようです。本書の鳥たちが叭々鳥なのかどうかは不明ですが、おそらくセイゴオは実際の鳥を観察して描いたのではなく、これまで描かれてきたさまざまな鳥たちの姿を思い浮かべながら、筆を走らせたのでしょう。
セイゴオは、著書『花鳥風月の科学』のなかの「鳥」の章に、こんなことを書いています。「鳥は《ここ》(here)と《むこう》(there)をつなぐ媒介者であり、風と同様の情報を運ぶメッセンジャーである」。この言葉を味わいながら本書を眺めていると、これらの多様な姿の鳥たちに、どこかセイゴオの現身を感じずにはいられません。
本書の発売は、8月12日の0:00より、「bookshop M」のECサイトで開始します。またbookshop Mレーベルの取り扱い書店などでも販売予定。さらに、『世界のほうがおもしろすぎた』(晶文社)、『百書繚乱』(アルテスパブリッシング)とともに本書『Birds』の3冊の新刊本を核とするブックフェアも、都内および全国書店で開催します。詳細が決まり次第、当「セイゴオちゃんねる」で告知いたします。
なお本書は英語版のみとなりますが、町口覚さんと松岡事務所・太田香保のメッセージを込めた日本語小冊子入りです。
松岡正剛作品集 「Birds」 M label No.49
鳥・言葉:松岡正剛
編集・造本設計:町口覚
デザイン:清水紗良(MATCH and Company., Ltd.)
*日本語小冊子入り
判型:縦 168mm/横 237mm
頁数:本文32頁
作品点数:31羽
仕様:並製本糸中綴じ
価格:3,300円(税込)
発行:bookshop M
詳細・お申込みは「bookshop M」ECサイトからどうぞ。