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2021.05.25 NEWS

セイゴオの妖しいフォト・ディレクション

五月某日、カメラマンの川本聖哉さんに、先ごろ当サイトで紹介した「Yohji Yamamoto POUR HOMME」春夏2021コレクションの撮影をしていただきました。

→こちらの記事も御覧くださいhttps://seigowchannel-neo.com/topic/3795

 

川本聖哉さんは長年にわたってセイゴオの講演やイベントなどの記録写真、松岡正剛事務所のプロジェクトのための撮影に携わってきたスペシャルパートナーの一人です。現在、川本さんと松岡事務所のコラボレーションによって、セイゴオの著書を一冊ずつ取り上げその編集的世界観を映像で表現するシリーズ「冊影帖」(さつえいじょ)の制作も着々と進んでいます(映像は近日当サイトで公開予定)。

 

今回はその「冊影帖」のための撮影も兼ねて、セイゴオの言葉があしらわれた山本耀司さんのジャケットやコート、さらに「FRAGILE」をモチーフにしたジャケットを一日がかりでスチールと動画で撮影。

 

ジャケットをワイヤーで吊るし、あたかも人体が入っているかのようにジャケットの形を整えながら撮影

 

ヨウジさんがこだわったと聞く墨染めのリネンの質感がみごとにあらわされた写真が完成

 

 

後半では4点のジャケット・コートを4人のモデルに着用してもらっての撮影に入りましたが、そこに先ごろ二度目の肺がん手術を終えたばかりのセイゴオも参加。まだ血中酸素の値を測りながら酸素吸入やリハビリを続けている日々ですが、ついつい4人のモデルにノリノリでポーズのディレクションをし始めました。さらにイシス編集学校公式カメラマンの後藤由加里さん・林朝恵さん、公式エディターの上杉公志さんも駆けつけて、本楼にはフォトセッション会場さながらの、ちょっと妖しげな熱気が満ちていきました。

 

なお、モデルはいずれもイシス編集学校の皆さん。セイゴオの言葉があしらわれた背側をメインとする写真になるため、「背中と髪型に知力と個性が溢れている方」を松岡事務所の太田が選りすぐりました。

 

セイゴオがモデルたちのポーズをディレクション。それを受けて、ウールのミリタリーコートを着こなす金宗代さんは、かつての演劇青年の勘を取り戻しすばらしく自在なパフォーマンスをしはじめた。

 

モデル:金宗代さん 「寄せるならリベラルアーツ。攻めるならパンクか数理哲学」をあしらったサマーウールのミリタリーコート。

 

モデル:桂大介さん 「遊ぶなら老荘俳諧。迷ったときの禅とバロック」のリネンジャケット。「こんなふうにフェミニンなポーズがかっこよく決まる男はそうはいない」とセイゴオも絶賛。

 

モデル:吉村堅樹 「喧嘩するならアナキズム。守るだけなら墨子とプラトン」のリネンジャケット。テーブルの上に胡坐をかきジャケットは肩はおり。セイゴオがもっとも力を入れてポーズを細かくディレクション。

 

モデル:衣笠純子 「FRAGILE」のタグなどがあしらわれたシリーズのリネンジャケット。舞台出身の衣笠さんは、セイゴオからのどんな無理難題にもこたえてキレのよいポージングを次々繰り出してくれた。

 

ロックにあわせて自由に動いてもらいながら撮影した1枚。

 

カラフルな大型書はいずれも鉄斎の画集。

 

ついにセイゴオも、「こわれもの」が胸にあしらわれたヨウジのシャツをはおって参加。パンツは太ももに「取り扱い注意」と書かれている。いずれも「Yohji Yamamoto POUR HOMME」春夏2021コレクションより、退院祝いとして松岡事務所がセイゴオに贈ったもの。

 

セイゴオのインナーは、なんと黒い肺がデザインされたTシャツ(故・藤本晴美さんが最初の肺がん手術のあとに贈ってくれたもの)。

 

 

レポート:太田香保

写真:川本聖哉  現場記録写真:後藤由加里・寺平賢司