セイゴオちゃんねる
最新情報最新情報
2021.06.24 PUBLISHING

「ひらく」最新号に、セイゴオの大型論考「ウイルスと資本主義」が掲載

 佐伯啓思さん(京都大学こころの未来研究センター特任教授)が監修をつとめる、雑誌「ひらく」の最新号(5号)に、セイゴオの書き下ろしエッセイ「ウイルスと資本主義」が掲載されました。24000字を超える、セイゴオ渾身の大型論考です。

 当企画は「ひらく」のプロデューサー・アートディレクターであり、かつて工作舎のデザイナーだった芦澤泰偉さんからの依頼によるもの。これまでも芦澤さんから直々に相談をうけ、創刊号では佐伯啓思さん、4号では日本思想史家の先崎彰容さんと対談しました。
最新号では「コロナ後の人生哲学」という特集を組むことになり、ぜひとも独自の「コロナ論」を書き下ろしてほしいと、芦澤さんがセイゴオに切願。セイゴオも「コロナについて、いつかしっかり書きたかったから」と依頼を快諾しました。

 〆切が近づいてきた3月ごろ、セイゴオは肺がんを宣告されるも、「この原稿は手術前に絶対に書き上げる」と鬼気迫る勢いで、休日も返上し執筆に集中。ワープロで仕上げたあとも、たび重なる赤入れをへて、とうとう原稿を完成させました。「最初は鬱蒼とした密林を歩いているようだったけど、何度も手を入れるうちに視界が開けた。コロナの状況で悩んでいる人たちにとって大きなヒントになるだろう」と、いつになく手応えを得ている様子でした。

「ひらく」5号は「アメリカとは何か?」と「コロナ後の人生哲学」の2大特集。森本あんり(アメリカ研究者)、長谷川三千子(日本思想家)、村田沙耶香(作家)、末木文美士(宗教学者)、齋藤幸平(経済学者)、與那覇潤(歴史学者)といった、各界の知的先達たちが名を連ねる。セイゴオのエッセイのタイトルデザインは、『情報の歴史21』のページ写真があしらわれている。

定価:2200円(税抜) 刊行日:2021年6月15日

版元:エイアンドエフ

 セイゴオはエッセイのなかで、コロナパンデミックが「生命と文明のあいだを一挙に縮ませた二一世紀最大の事態」だと指摘。この危険な状態をのりきるには、一度、世界観や世界像を「情報」を通して問い直す必要があると警鐘を鳴らします。プラトン、ブッダ、ライプニッツ、ヴィーコ、ベルグソンといった古今東西の哲学者たちの思想を紹介し、新たな世界観、世界像を編集するための方法を探っていきます。

 生命と情報と文明をまたぐ問題群を、セイゴオが9つに分類。以下、各見出しを抜粋します。

(1)生命と情報の関係について
(2)情報の「やりとり」のしくみについて
(3)物質と意識(精神)の関係について
(4)「私」すなわち「自己」の出現について
(5)貨幣と情報の関係について
(6)モードとスコアの問題について
(7)機械化された情報について
(8)気分とコミュニケーションについて
(9)宗教と国家と情報の関係について

―――――宇宙のエントロピー、地球と大地の炭素循環、光合成のしくみ、ゲノム情報、貨幣の役割、音楽や文学の意義、日常会話、アートと芸能、印刷と通信のコミュニケーション技術、コンピュータ・ネットワークのこと、これらを同時に語れるのは「情報」だけなのである。ぜひとも9つの問題群をヒントに、これらから新たな「文意」や「文脈」が創発されていくことを期待したい。(セイゴオ)

文:寺平賢司