セイゴオちゃんねる

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江戸問答

『日本問答』の姉妹本。「面影問答」「浮世問答」「サムライ問答」「いき問答」の4章立てで、現代の感染症パンデミック、日中韓の関係などのさまざまな問題を解く方法を江戸社会や江戸文化に求めつつ、近代以降に日本が失ったものを徹底的に追究していく。イシス編集学校の「離」を経験した田中優子氏とセイゴオが独自の見方で、日本が誇るべき教育システムはかつてあったのかについてもかわしている。問答をふっかけ合う二人の肖像をのせた帯にも注目。

対談:田中優子
岩波新書
2021
1,000円(税別)

日本問答

法政大学総長の田中優子氏と、日本の来し方・行く末をめぐって繰り広げられた対談。「内と外」をキーワードに、“公家と武家”、“真名と仮名”、“ウツとウツツ”といった矛盾するものを共存させるデュアルな思考に着目し、日本が本来持っていた方法や仕組みを明らかにする。日本の未来を憂う二人が団結し、悩ましい現代の日本に問答をふっかける。

対談:田中優子
岩波新書
2017
940円(税別)
 

謎床―思考が発酵する編集術

情報学研究者のドミニク・チェン氏と、生態学からIT界の行く末までを語り合った濃密対談の採録。機械の中に意識は生まれるのか、日本型ポジティブコンピューティングは可能か、シンギュラリティをむかえる前にやっておくべきことは…。ジャンルを超えた師弟の思考のぶつかり合いが、また新たな謎を発酵する。

対談:ドミニク・チェン
D:美柑和俊
晶文社
2017
1,800円(税別)

匠の流儀―経済と技能のあいだ

ネットワンシステムズ株式会社と松岡正剛事務所が連携し、各界のビジネスリーダーたちを対象に開催してきた「縁座」を書籍化。中谷巌氏や田中優子氏、松本健一氏といったゲスト講師とともに、「日本および日本人」の歴史や経済文化を探求する。今日の企業やICT社会が日本の「匠」的な直感と細部への視点をどのようにもちうるかという大きな問いが貫いている。

D:美柑和俊
春秋社
2015
1,800円(税別)

『「日本人」とは何者か? 別冊NHK100分de名著』

NHKで2015年に放送された新春スペシャル「100分de日本人論」のムック本。「日本人ってそもそも何だろう?」という問いに対し、現代を代表する論客が哲学的かつ根元的に、日本人のアイデンティティや文化の基層に迫る。松岡は九鬼周造の『「いき」の構造』を取り上げ、「数寄」をキーワードに、日本人の美意識を説く。その他、折口信夫『死者の書』、河合隼雄『中空構造日本の深層』、鈴木大拙『日本的霊性』についても、コラムを書いている。

対談:赤坂真理、斎藤環、中沢新一
D: 菊地信義、山田孝之
NHK出版 2015年
900 円(税別)

意身伝心―コトバとカラダのお作法

40年来の知己であるダンサー・田中泯氏と交わしあったコトバとカラダをめぐる対談。長年コラボレーションをしながら共鳴しあってきた二人が、互いの方法を交換しあい境界をまたぎあい、分断された言葉と身体をつなぎ合わせる。本書は二人に長く付き添ってきた太田香保(松岡正剛事務所)、石原淋(ダンサー)の発案によって実現した。

対談:田中泯
D:美柑和俊
春秋社
2013
1,900円(税別)

松丸本舗主義

丸善とコラボした実験書店「松丸本舗」が2009年に開店した。松岡の読書世界を体現した書棚空間や、本を案内するブックショップエディターなど、3年間に行われた革新的な試みの数々は書店界の事件でもあった。その前代未聞の書店づくりの方法とプロセスをあますことなく開陳する。第三章「気分は松丸本舗」では各界の著名人が閉店を惜しむメッセージを寄せている。

D:佐伯亮介
青幻舎
2012
1,800円(税別)

日本力

来日20年の写真家・エヴァレット・ブラウン氏の日本についての驚くべき洞察に、松岡が深い共感をもって正対した語らいの記録。いま最も必要な「日本」について考える。対話の合間に挿入されたエバレット氏の写真にセイゴオのフレーズが組み合わされ、イメージの力で「日本の面影」を表出している。

対談:エヴァレット・ブラウン
D:町口覚
パルコ出版
2010
1,600円(税別)

脳と日本人

科学、国家、そして日本人とはいったい何であって、どこへ向かうべきか…。松岡と脳科学者茂木健一郎が脳を入り口に、多岐に渡るテーマを探る。二人の意見や方法論は、ときに交わり、ときに相容れないこともありながら、二人が発する認知科学にかかわるメッセージは、視覚のみが肥大化している現代日本人への警鐘として示唆に富んでいる。松岡の思想を形成してきた個人史のエピソードも明かされている。

対談:茂木健一郎
【単行本】
装幀: 関口聖司 写真:前 康輔
文藝春秋 2007年
1,714 円(税別)

【文庫】
2010年
552円(税別)

デザイン12の扉

2000年に行われた桑沢デザイン塾特別講座「デザインの21世紀」を採録。インテリアデザイナー内田繁氏と松岡の監修のもと、デザインやアートだけでなく、解剖学、文化人類学、医療といった多様な分野から、未来につたえていくべきデザインの方向性にアプローチする。「第十二の扉」としたエピローグでは、松岡と内田氏が、コンピューターとITが暮らしとデザインに与える影響をふまえ、21世紀のデザイン方法論を語り合う。

D: 薬師神デザイン研究所+大槻高康
丸善2001年
2,500円(税別)

工作舎アンソロジー

工作舎30周年を記念して、1971年から2001年までの工作舎の出版物のエッセンスを「天」「地」「人」の三部に構成した特別編集本。松岡と十川治江のロング対談「土星縁起」がヴィジュアル資料とともに特別収録されている。本編では星と世界模型、奇蹟と神秘、光・物質・事物、シンメトリーと情報、カミと神、存在と時間など24のテーマによって抽出されたアンソロジーが各見開きに4ブロックで散りばめられている。

D: 宮城安総・木村里美・滝沢雅子 
工作舎 2001年
2,000円(税別)

二十世紀の忘れもの

宇宙物理学者の佐治晴夫と松岡が宇宙や生命、意識について全6回にわたり講義と対話をしたサロン「匙塾」(1997年〜1998年)を収録した。聖書、般若心経、哲学、絵画、音楽、数学、物理、宇宙、言語、脳、生命など、ジャンルを超える多様な視点によって、かつてないトワイライトで縦横無尽なサイエンス放談が深まっていく。対談とソロ講義が入れ子の構成になっており、松岡にとっては初となる生命論の講義も収録。

D: 石原雅彦  
雲母書房 1999年
2,600円(税別)

色っぽい人々

日本ペイントのPR誌『可視光』の創刊号とともに始まった対談「セイゴオ・カラローグ」を再編集した。山口小夜子、藤原新也、ワダエミ、樂吉左衞門、ツトム・ヤマシタ、安藤忠雄、奥村靫正、石岡瑛子、杉浦康平、阿木燿子、中村吉右衛門、茂山千作、美輪明宏ほか20人の錚々たる顔ぶれが登場。松岡はホストとして、色をめぐる対話の中で、ゲストたちの魅力とそれぞれの作品世界や方法論を引き出していく。オールカラー、写真も多数掲載。

D: 海野幸裕・宮本香 
淡交社 1998年
3,200円(税別)

ボランタリー経済の誕生

東京海上研究所と編集工学研究所が共同研究の場として1994年に発足した「ボランタリー・エコノミー研究会」の4年にわたる研究成果にもとづいて、金子郁容、下河辺淳、松岡によって共同執筆された。地域や歴史を自在に横断しながら、自発性・関係性・情報性の視点から生物・社会・経済・文化を組み直し、相互編集市場を創発する方法を示した。最終章では、日本の昔話にひそむ独自の経済社会モデルを解き明かす。

D: 人見祐之  
実業之日本社 1998年
2,800円(税別)

電縁交響主義

1995年から1997年にかけて行われたネットワークコミュニティ研究会(ニフティ株式会社主催)の第一期・第二期の活動成果をもとに、総勢30人のゲスト出演者の声を濃縮編集。金子郁容、中村雄二郎、岡田智雄(当時のニフティ代表)、および松岡を発起人として、インターネットでつながった電縁ネットワークに期待される「創発性」を探った。松岡は終章「世界と自分とコミュニティをつなぐ」において、ボーダレス時代のコミュニティの価値を提言した。

D: 鈴木一誌、ほか  
NTT出版 1997年
2,400円(税別)

『イメージとマネージ ―リーダーシップとゲームメイクの戦略的指針―』

「イメージはマネージされたときに加速する」。全日本の監督を務め、日本のラグビーを変えた平尾誠二と、彼の活躍に興奮し続けた松岡の自由自在な対談が収録されている。自分の「弱さ」を見つめ、その背後にひそむ人間の情報的特質を推理することは、ラグビーの戦略を超え、あらゆる社会生活の有効な指針ともなる。情報収集と分析から多様なる局面への対応へと、話はラグビーの枠を超えて展開される。

【単行本】
対談:平尾誠二
D: 川島進
集英社 1996
1,553円(税別)

【文庫本】
D: 川島進
集英社文庫 1999
514円(税別)

情報の歴史

「人間はどのように情報を記録してきたか」という視点から、人類の歴史を世界同時年表形式で編集構成した。大小タテヨコ、いくつものヘッドラインにより、「関係の発見」がダイナミックかつ連鎖的に喚起されているため、読者が時代ごとの主要事態を一望しながら関係性を発見できる奥行きのある年表になっている。松岡は「読者が時の旅人として適切な書き込みをして、本書が独自に成長していくことを希いたい」と記した。3年間にわたる本書の制作プロジェクトが編集工学研究所の母体となった。

D: 浜浦恵美子、吉田純二、松田行正、岡孝治
NTT出版 1996年
5,340円(税別)

秘伝 未来からのモノづくり

日産「Be−1」をはじめコンセプターとして幅広く活躍する坂井直樹がポスト空洞化時代の商品開発について行った講演録。松岡がエディトリアルディレクターをつとめた。「マインド・マーケットの兆し」と題した二人の対談が産業の「空洞化」を枕に交わされ、編集的な処方へと導く。モノづくりの現場に生きる「編集」を考えるふたりの交点に、「編集商品」というポスト空洞化の新しい産業概念が生まれた。カバーの坂井直樹の似顔絵は漫画家永井豪による。

D: 永井豪  
かんき出版 1995年
1,456円(税別)

インターネットストラテジー

情報文化研究フォーラム(NTT主催)とネットワークコミュニティ研究会(ニフティ株式会社主催)から得たヒントから、金子郁容と吉村伸両氏、および松岡が経済・技術・文化のすべてを横断し、インターネットをめぐる三者対談が実現。人間の中にひそむコミュニケーション活動の本来性こそがインターネットの内実を相互編集的に形成していくという視点を取り入れた点で、既存のインターネット解説本とは一線を画す先駆的な一冊となった。

D: 川上成夫
ダイヤモンド社 1995年
2,718円(税別)

複雑性の海へ

生物、物質、宇宙、人工知能、社会、人間などさまざまな切り口から「複雑性」および「複雑系」を吟味するために、松島俊也、川村光、戒崎俊一、今井浩、北野宏明、中島秀之、橋田浩一、松原仁、海保博之、齊藤了文、塩沢由典、馬場靖雄といった気鋭の研究者12人が一堂に会した画期的な一冊。松岡は「複雑な世界を見るにあたって」と題し、脳科学の知見にもとづきカオスと情報の関係や非線形的な世界の見方を紹介した。

D:  戸田ツトム+岡孝治  
NTT出版 1994年
2,816円(税別)

共鳴する神々

1992年に神戸で開かれた神道青年全国協議会大会記念シンポジウムを採録。「好きやねん、神さん」をスローガンに掲げ、ライアル・ワトソン、衛藤駿、鎌田東二、毛綱毅曠、田中優子、鈴鹿千代乃、菌田稔が日本の多様な神について語った。松岡は「神々と情報」、「神の多様性と多重性」と題した講演を行うとともに、最終章「神をもてなし、地にふるまう」では対談の司会をつとめ、神主という職の可能性についても提言している。

D: 芦澤泰偉 
みき書房 1994年
1,800円(税別)

理解の秘密

“情報建築家”リチャード・ワーマンが、インストラクションの構造から情報社会のコミュニケーションのあり方を説く。インストラクションの構成要素を送り手、受け手、コンテンツ、チャンネル、コンテクストの5つとして、その活用法を指南する。『情報選択の時代』に続き、松岡が監訳を担当。情報と編集とデザインを同時に扱い、評判をよんだ。ちなみに、松岡はワーマンを「“無知”と“好奇心”の専門家」とインストラクションしている。

D: 松田行正
NTT出版 1993年
2718,円(税別)

老年発見 「成長」から「老知」へ

松岡が「編集哲学の大いなる先駆者」とよんだ中村雄二郎氏が監修。現代社会では、多様な価値観をもつ生き方と知恵=「老年モデル」が新たに求められているというコンセプトのもと、郡司正勝、白洲正子、福永光司、河合隼雄、森毅、石井威望、別役実、養老孟司、樺山紘一、熊倉功夫ら錚々たる執筆陣が結集した。松岡と中村雄二郎氏が当時82歳の埴谷雄高を訪ね、歴史から宇宙まで縦横無尽に語り合った鼎談「老年の革命と創造」も収録。

D:  戸田ツトム+岡孝治  
NTT出版 1993年
2,900円(税別)

日本人のこころ

1990年にNHK総合テレビで放映されたシリーズ『日本人のこころ』の第一回「古代の神々」、第二回「神と仏のあいだ」を再編集し、刊行。五木寛之、田中優子、門脇禎二、小松和彦とともに進行役の松岡が日本人の心情と論理の視点から、多様で復合的な日本を浮き彫りにしていく。「異人」の視点から日本をみることで、従来の紋切りの日本論とは一線を画す内容となった。

D: 海野幸裕  
角川書店 1993年
1,400円(税別)

コミックメディア 柔らかい情報装置としてのマンガ

なぜマンガという形式がいまや世界の注目を集め、多くの読者を獲得したのか。香山リカ、布施英利、石田佐恵子、赤木かん子、柏木博、四方田犬彦、高山宏、金子郁容といった個性的な論客が執筆を担当。作品論の枠を越え、マンガがもつメディアとしての特殊性と普遍性をさまざまな角度、視点、立場から浮かびあがらせた。松岡は「コミック・テクノロジーと編集工学」と題し、デザイン、テクノロジーから、マンガに潜むツールと技法といった独壇場の運びを考察する。

D: 戸田ツトム+岡孝治
NTT出版 1992年
2,900円(税別)

情報文化問題集

1989年に28回、キーノートスピーチ42人という高密度かつ高速度で開催されたNTT情報文化研究フォーラム(NTT主催)第4期の成果を濃縮編集。「AIと言語」から「こどもと情報環境」にいたる広領域の5つのテーマを各コーディネーター(金子郁容、西垣通、柏木博、鎌田東二、斎藤次郎各氏)に託し、文化論も混じえて議論した。知の解体以降のポストモダンの学知のあり方を問い直し、情報コミュニケーションの可能性を示唆する一冊である。

D: 戸田ツトム、岡孝治
NTT出版 1992年
3,107円(税別)

クラブとサロン

クラブ・サロンの主役は「情報」だった。政党、保険から広告まで、今日の経済文化社会を決定づけるプロトタイプを連続して生んだコーヒーハウスをはじめ、数々の情報編集装置の「場ヂカラ」を紹介した。クラブやサロンのつくられ方をみることは、編集のしくみを考えるうえで、大いに参考になる。小林章夫、笠井潔、長島伸一、川田靖子、長澤均、中条省平、杉藤雅子、秋田昌美、高橋秀元、守屋毅、田中優子、高山宏といった多士済々のオーサリングメンバーに松岡を加えた13名が執筆を担当した。

D: 戸田ツトム、岡孝治
NTT出版 1991年
2,718円(税別)

情報選択の時代

著者はTEDの主催者として知られるリチャード・ワーマン。アンダースタンディング・ビジネスを提唱し、新たなソーシャル・キャピタルが「理解」にこそあると指摘した。そのワーマンが情報を構造化された知識に変える方法を手ほどきしたベストセラー本を、松岡が監訳。アメリカで最もよく知られた情報アーキテクチャの一人でもあるワーマンが、腕によりをかけてピックアップした図版や欄外に工夫された脚注にも注目したい。

D: 坂井哲也 
日本実業出版社 1990年
2718,円(税別)

サイバーテクノロジー

月尾嘉男氏が主宰する「アーク都市塾」の研究会において西和彦、松井隼、河口洋一郎、武邑光裕、笹田剛史、石原恒和といった、情報技術の先駆者たちがニューメディアについて議論した内容を収録した。松岡は最終章で「情報文化と編集工学」と題し情報化社会における編集技術の重要性を説き、月尾氏との対談も行った。全十章を通して、情報がもつ性質が社会にもたらす影響を多様な視点から論述し、解明する。

D: 鈴木成一  
NTT出版 1990年
2,330円(税別)

日本のルネサンス(下)―桃山の美―

草月文化会館で開催された「日本のルネサンス・桃山文化を考える」フォーラムを記録した『日本のルネサンス』(全二巻)の下巻本。松岡はシンポジウム「桃山の美」で司会をつとめ、田中一光、十文字美信、芳賀徹とともに東西のアート・ディレクションを比較しながら桃山文化の意義を探る。そのほか、武田恒夫、宮上茂隆、中村昌生、切畑建、河田貞、松田毅一、栗田勇の講演を収録。装丁は田中一光。

D: 田中一光  
柏書房株式会社 1990年
1,748円(税別)

電脳都市感覚―サイバー・リアルな都市のメッセージを解像する

「情報文化シリーズ」のなかでも、電脳化する意識と社会をめぐる一冊。第1章は安西祐一郎、坂村健両氏が電脳社会の近未来進行形を語り合う「電脳対談」。1988年に開催された情報文化フォーラム公開シンポジウム(NTT)を編集した第2章「電脳総談」では、サイバー・解像・連続体について、石原恒和、奥村靫正、金子郁容、月尾嘉男、中沢新一、藤幡正樹、とともに松岡が議論した。最終章は、演算星組(井上弘文・岡野泉)、小尾一介、舘暲、松浦季里、桝山寛がサイバー・インターフェースをテーマに「電脳独断」する。欄外に踊る脚注やアーティフィシャル・リアリティに富む図版の数々にも注目。

D: 戸田ツトム
NTT出版 1989年
2,000円(税別)

情報とシステム〈PART2〉解釈の冒険

『経済の生態』に続く、「情報とシステム」の第2分冊。生命のダイナミックな自己組織化構造をもとに、情報の形成と解釈についての仮説をたてた論考集である。生物学、禅、民俗学、編集デザイン思想まで多くの文化史にアプローチするとともに、情報についての既成の考え方にとらわれないようにも配慮されている。全体を監修した松岡とともに、清水博(著者代表)をはじめ、中沢新一、戸田ツトム、野中郁次郎といった多分野の論客が執筆。

D: 戸田ツトム、吉田純二 
NTT出版 1988年
2,575円(税別)

即身 密教パラダイム

高野山大学の創立100周年を記念して、密教の世界観をテーマに開催された「高野山大学百年シンポジウム」(1984年)をもとに企画構成。松長有慶(元高野山大学学長)、河合隼雄、山折哲雄、杉浦康平、中沢新一をはじめ錚々たる論客により執筆された。松岡は当シンポジウムの採録企画とモデレーターを担当しながら、「即身をめぐって―存在と速度」をテーマに、コリン・ウィルソン、フリッチョフ・カプラ、ライアル・ワトソンら海外からのオピニオンリーダーと密教理解についての議論を交わした。

D: 杉浦康平・谷村彰彦  
河出書房新社 1988年
2,500円(税別)

『ネットワーク時代の組織戦略』

1989年に刊行された『日本の組織』全十六巻のパイロット・ブックである。全ページを松岡から各識者へのインタヴュー形式の構成をとったことで、一問多答の進行のなかから、さまざまな組織的・戦略的な未来像の骨格が浮かびあがっていく。わかりやすいチャートや深い時代のヨミにもとづいた見解もふんだんに盛りこみ、すべての組織人の戦略的入門書かつ組織変革の考え方のための水先案内書になっている。

対談:加護野忠男、奥村昭博、野中郁次郎、伊丹敬之、織畑基一、原田保、塩原勉、日置弘一郎、今井賢一
D: 木村久美子
第一法規出版株式会社 1988
1,748 円(税別)

『日本の組織を読む―ネットワーク時代の組織戦略2―』

全集『日本の組織』をベースに開催された「組織戦略フォーラム」の報告書である本書では、ミドルマネジメントを軸に日本の情報創造システムとしての組織の課題を掘りさげた。テーマは、フロー型企業かストック型企業かといった組織計画の本質的な問題から、リストラクチャリングのプロセス、新規事業のたちあがり期の組織形成まで及ぶ。野中郁次郎氏と松岡を中心に、当時の精鋭のビジネスパーソンが組織をいかに編集、イノベーションしていくかという実践的な方法について熱い意見を交わす。

対談:小野貴邦、陸正、小柳晴生、佐藤亘、原田保、広崎膨太郎、野中郁次郎
第一法規出版株式会社 1989
1,748 円(税別)

『間と世界劇場』

日本文化は「外側の目」をもつ必要があると言う松岡が、日本の「主客の構造」の見方と考え方をフランシス・イエイツをはじめとする内外の文化人との対談を通して探る。奥村靭正氏の自在なイラスト作品とともに、日本文化のキーワードが躍動する「主客五十三次」も収録。前著『遊行の博物学』同様、海野幸裕氏のエディトリアル・デザインにより、全章を通し類のないグラフィズムの冒険を試みた。

対談:山口昌男、ジャック・デリタ、フランシス・イエイツ、荒俣宏、吉本隆明、ナム・ジュン・パイク、ジョン・ケージ、小杉武久、ピエール・ド・マンディアルグ、中沢新一
D: 海野幸裕、壁谷沢敦子
春秋社 1988年
2,900円(税別)

空海と密教宇宙

日本仏教界において、脚光を浴びることが少なかった空海を〈朝日カルチャー叢書〉の第一冊目として取りあげた。金岡秀友、山折哲雄、清水乞、前田常作が共同執筆。松岡は第二章『空海の夢』で独自の視座から空海の思想と生涯を読み解いた。松岡の密教へのかかわりはその後、ビデオ「蘇える空海」、密教21フォーラムのナビゲートへとつながる。杉浦康平による図版と、田中一光がアートディレクターをつとめたカバーデザインにも注目。

D: 木下勝弘
光村図書 1984年
3,495円(税別)

『遊学の話』

1960年代に「遊学」の展開をはじめた松岡が、1977年から1978年にかけて、初めて海外の遊学者を訪ねて交わした対談の記録。遊談の相手は、フランシス・イェイツ、ピエール・ド・マンディアルグ、ジョン・ケージ、カイヨワ、ルイス・トマス、J・Gバラード、ナム・ジュン・パイク、スーザン・ソンタグ、フリッチョフ・カプラ、ミルフォード・グレーブスの10人。レーニンの『哲学ノート』に触発されたという、すでに書き込みのある本の体裁もまた、自在な読み方を促す。

対談:フランシス・イェイツ、ピエール・ド・マンディアルグ、ジョン・ケージほか
D:海野幸裕+小中功
工作舎 1981

二十一世紀精神

津島秀彦(医学・理学博士)と自然学について対談した松岡のデビュー作。「科学・宗教・芸術からの自由」を求めて、1ヵ月以上にわたり、広範囲なテーマで対談を重ねた記録を再編集した。最終章では、山奥の温泉へと語りの場を移しながら、自然界の速度と場所に対する知覚の仕方をめぐる。本書刊行の4年後、松岡初の単著『自然学曼陀羅』が世に出た。

D: 戸田ツトム・小柳敦子・松田行正 
工作舎 1975年
1,600円(税別)