- 2020.03.14 PUBLISHING
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千夜千冊エディション最新刊『心とトラウマ』が刊行されました
千夜千冊エディションの最新刊『心とトラウマ』が刊行されました。
「自分」と「自分の中の別人」の両方を、また「脳」と「心」の両方を追いかけた数々の名著をセイゴオ独自の読み方でつないだ一冊です。
意識や精神はどこにあるのか。脳と心は別ものなのか。哲学も脳科学も心理学もいまだ解きえていないこの難問に切りこみつつ、「うつ」や「PTSD(心的外傷後ストレス障害)」や「統合失調症」や「ひきこもり」など、いま誰もが切実に気になる精神医学的なテーマを総ざらい。
またスティーヴンソン『ジーキル博士とハイド氏』、ダニエル・キイス『24人のビリー・ミリガン』など多重人格を扱った名著から、アントニオ・ダマシオの先駆的な一冊『無意識の脳・自己意識の脳』も収録。ユング、森田正馬、レイン、ラカン、斎藤茂太、中井久夫、アンジュー、岩井寛、岡田尊司らの精神医学者の横顔も充実させた全4章構成です。
口絵は松岡正剛になりきった森村泰昌さんとセイゴオが、鏡合わせになった一枚。
各章の挿絵は民話や神話、古代の文字世界を描き、白川静文字学を画本にする仕事などを手がけられてきた画工の金子都美絵さん。
表紙のエゴン・シーレの「椅子」とともにアート感覚あふれる一冊になりました。
「すでに哲学は私の正体を棚上げにした。精神医学がはたしてきた役割と、脳の機能を追って、自分の中の別人の謎をたぐりよせてみた。」(前口上より)
『心とトラウマ』
目次 :
第1章 心についた傷
斎藤茂太『女のはないき・男のためいき』803夜/北杜夫・斎藤由香『パパは楽しい躁うつ病』1721夜 ほか
第2章 自分の中の別人たち
アシュレイ・モンターギュ『ネオテニー』1072夜/デイヴィッド・ホロビン『天才と分裂病の進化論』684夜 ほか
第3章 脳が心を見ている
ワイルダー・ペンフィールド『脳と心の正体』461夜/カール・ポパー&ジョン・エクルズ『自我と脳』1059夜 ほか
第4章 心理学と「私」の間
カート・ダンジガ―『心を名づけること』1723夜/グオルグ・グロデック 野間俊一『エスとの対話』582夜 ほか
文:西村俊克
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