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2020.03.17 PUBLISHING

講談社現代新書より新刊『日本文化の核心』を刊行

3月18日、新刊『日本文化の核心』(講談社現代新書)が刊行されます。

 

これまで日本文化研究の第一人者として、数々の日本論の著作を世に出してきたセイゴオが、いまこそ多くの日本人に“クール”ではない、“ディープ”な日本文化をこそ知ってほしいという強い思いのもとに書き下ろしました。“セイゴオ日本論”の決定版ともいえる一冊です。

お米、柱、ムスビ、型と間、カブキ、神仏習合、古意(いにしえごころ)、武家と公家、まねび、支払いとお祓い、経世済民、二項同体、面影といったキーコンセプトを次々にあげ、さまざまな切り口、角度から複雑で多層的な“ジャパンスタイル”を読み解きます。

 


本書ゲラのセイゴオ赤字
内容の充実に加え一字一句、改行にいたるまで妥協をゆるさず加筆・執筆した。

 

また全一六講すべての図版の意匠を、編集工学研究所の穂積晴明さんが担当。各講の内容をビジュアル化し、従来の新書にはなかったハイパーメディア感覚を散りばめてくれました。以下、いくつかの図版紹介をするとともに、ごく一部をダイジェストします。

 

 
 第一講「柱を立てる」
柱は古来、天と地を結ぶものと考えられ、神の依代として神聖視されつつも、明治近代に “柱の思想”が過剰化し、国粋主義や八紘一宇の温床になったと考察。また日本人が柱とともに「ムスビ」のなかにスピリットの充実を込めてきたことにも触れ、日本は「産霊(むすび)と柱の国」であったことを明らかにします。

 


第八講「小さきもの」
ポケモンやかぐや姫、たまごっちを引き合いに、「小さなもの」に思いと想像力をめぐらしてきた日本人の隠れた美意識を案内。短歌や根付、端唄、手ぬぐい、トランジスタラジオ、ちゃぶ台、コギャルを例に出し、日本的ミニマリズム、極小主義が日本の技術やサブカルチャーに突き刺さっていたことを浮き彫りにします。

 


第一四講「ニュースとお笑い」
もともと神にふるまわれた「笑い」がさまざまな至高の芸へと発展し、笑いを欲する人々の欲望が多彩なメディアを生み出しました。この二つが日本の情報文化を牽引したことを明らかにし、日本人が情報をどのように捉えてきたのかを分析します。セイゴオは“わかりやすさ”を追究する現在の日本メディアの課題を指摘しつつ、「日本的情報文化論」を構築するための方法を模索します。

 


講談社現代新書からの刊行はロングセラーとなっている『知の編集術』以来20年ぶりのこと。

 

『日本文化の核心』
定価:1100円(税込) 2020/3/18

 

目次
<本書の構成>
はじめに(WEB上で公開中
第一講:柱を立てる
第二講:和漢の境をまたぐ
第三講:イノリとミノリ
第四講:神と仏の習合
第五講:和する/荒ぶる
第六講:漂泊と辺境
第七講:型・間・拍子
第八講:小さきもの
第九講:まねび/まなび
第一〇講:或るおおもと
第一一講:かぶいて候
第一二講:市と庭
第一三講:ナリフリかまう
第一四講:ニュースとお笑い
第一五講:経世済民
第一六講:面影を編集する

 

文:寺平賢司