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2020- | 角川武蔵野ミュージアムとエディットタウン 東所沢に2020年にオープンした角川武蔵野ミュージアム(隈研吾氏設計)の基本計画段階から総合監修者としてかかわるとともに、その一角に本の街をイメージする「ブックストリート」を構成編集した。「ブックストリート」は、ET1「記憶の森へ」からET9「個性で勝負する」の全9つの書域によって独自の配列で本棚が構成された「エディットタウン」と、空中楼閣のように書棚が組まれた天高8メートルの「本棚劇場」からなる。選本にはイシス編集学校のディレクターたち十数人と各専門ジャンルのプロがあたった。シンボルサインを松田行正氏が手がけ、さらにブックストリートの天上空間では、デザイナー競作によるパネルやオブジェが所狭しとディスプレイされた「リコメンドルーフ」を展開。イメージ連想を次から次へと喚起する空間となっている。ミュージアムオープン後は松岡は館長として全体の企画運営にたずさわっている。 |
隈研吾氏設計による角川武蔵野ミュージアム外観
一見雑然としたレイアウトのなかに |
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左:円高8メートルの本棚劇場ではプロジェクションマッピングを展開 右:天上にはデザイナー競作によるリコメンドルーフ |
2020 | 大船渡三十六景 3・11で大きな被害を受けた岩手県大船渡市の地域文化復興を支援するためのビジュアルブックを企画・編集。発行は復興事業をてがける大和リース、制作は地元のまちづくり会社「キャッセン大船渡」。大船渡の風景や人びとや「言葉」の魅力を36の切り口で取り上げた。写真は週刊ポストの「百辞百物百景」で松岡とコラボレーションした太田真三氏、デザインは美柑和俊氏。「ケセン語」の第一人者である山浦玄嗣氏のインタビューも収録。 |
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2018- | 千夜千冊エディション 2018年5月より、「千夜千冊」を新たなテーマ設定によって構成編集する文庫シリーズ「千夜千冊エディション」の刊行がスタート(角川ソフィア文庫)。2018年はほぼ月刊ペースで『本から本へ』『デザイン知』『文明の奥と底』『情報生命』『少年の憂鬱』『面影日本』『理科の教室』を次々に上梓。2019年からは隔月刊で『感ビジネス』『芸と道』『ことば漬』『神と理性』『観念と革命』『編集力』などを展開、2021年3月現在19冊が刊行済みとなっている。町口覚・浅田農氏によるユニークなエディトリアルワークも反響を呼んで |
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2017-現在 | 近畿大学アカデミックシアター 2017年4月にオープンした近畿大学のアカデミクシアターを企画構成・監修。アカデミックシアターとは、文理の垣根を越えて社会の諸問題を「実学」として扱う近大の構想にもとづく施設。施設内にあるビブリオシアターは編集的な分類に基づく約7万冊の図書館である。大きくはデジタルメディア世代のためのリベラルアーツを意識した「NOAH(ノア)」、マンガを入り口に幅広い教養を身につける「DONDEN」によって空間構成。 |
上/近畿大学ビブリオシアター |
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2016-現在 | ModuleXの多重書棚「光冊房」 照明器具会社ModuleX(モデュレックス)の曄道悟朗社長の一言「オフィスの壁を本で埋めつくしたい」からはじまったプロジェクト。古典、日本文化、日本史、建築、芸能・工芸、民俗学、世界神話、東洋思想、西洋絵画から演劇、アート・デザイン、写真、博物学、数理学、技術史、西洋哲学、西洋思想、そして照明学まで約7000冊を選書し、松岡が「光冊房」と名付けた。書棚デザインは隈研吾氏。仕掛け人は照明家の藤本晴美氏。 |
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2015-現在 | ミツカンCM「酢の力」 ミツカンのCM「酢の力」シリーズのクリエイティブディレクターを松岡がつとめている。酢の魅力と酢の効果をあらわすコピー「酢の力」を編集、これまで「血圧篇」「内臓脂肪篇」「血糖値篇」の3本を制作(監督:鈴木洋、制作:松本唯史、イラスト:北谷しげひさ)。血糖値篇は交通広告グランプリデジタルメディア部門で優秀作品賞を受賞。 |
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2015 | 影向 パルコ劇場で、松岡、田中泯、宮沢りえ、石原淋によるダンス&トーク公演「影向」を開催(二夜限定)。土方巽やミショー、石牟礼道子、クローデル、種田山頭火、石田波郷、フランツ・ファノン、蘇軾のフレーズを松岡が朗読し、それに演者たちが呼応する“フレイジーダンス”を次々と展開。本と服と体と声が交錯する新しい舞台を作り上げた。衣装を担当した山本耀司も舞台に立ち、観客を驚かせた。ポスターは、エバレット・ブラウンが撮影した湿版写真を、内藤久幹がデザインした。 |
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2015-現在 | MUJI BOOKS 無印良品の店舗内に展開する書籍スペースを松岡が監修。2015年3月に博多キャナルシティにオープン以来、有楽町、恵比寿、大阪、京都、広島、松本、函館ほか全国各地の無印良品店内に拡大中。選本は、MUJI商品との連携をふまえ、くらしを味わう「さ(冊)、し(食)、す(素)、せ(生)、そ(装)」をテーマにしている。 |
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2014-2015 | 三味三昧 邦楽家の本條秀太郎氏と松岡が組んで本気で「日本」を遊んだ数寄サロン。「日本いろいろ遊び」「男伊達」「くにぶりうた」「色歌もどき」「棹けしき 糸さばき」「音文字むすび」の全6回を開催。本條氏の三味線と唄と松岡の語りが溶け合って、ある時は遊芸風、ある時は寺子屋風、また時には日本列島を縦断する道行のような仕立てになった。二人の着物は江木良彦のお見立て。眞中秀幸シェフによる海・里・山から採りたての食材によるおもてなしも好評だった。 |
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2014-2015 | リクルートのユニークネス開発 海外展開をめざすリクルートホールディングスの依頼で、1年にわたってその独自の企業文化やビジネスモデルの特徴を研究。それらを「リクルートのユニークネスとして、編集工学的な観点から新たに価値づけし、人材教育用のワークブックなどを開発した。ワークブックには、松岡書き下ろしのリクルート論も収録。 |
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2014 | THE MIRROR展「屋根裏ブックウェア」 THE MIRROR展は、銀座4丁目和光の近くで戦災を生きのびた歴史的なビル、名古屋商工会館で実施された。総合プロデューサーの清水敏男氏のもと、浅葉克己、小池一子、名和晃平、西野達ら現代を代表する約30組のクリエイターが参加しユニークなディスプレイやプレゼンテーションを展開した。松岡はビルの最上階で本の空間「屋根裏ブックウェア」を企画し、Web連載「セイゴオひび」で取り上げた約2000冊を一堂に集めて見せた。空間デザインは隈研吾。3週間にわたった本展終了後、名古屋商工会館は惜しまれつつ老朽化のため解体された。 |
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2013 | 鉄道芸術祭 大阪中之島のアートエリアB1の「鉄道芸術祭」において、松岡正剛プロデュース「上方遊歩46景」を2カ月ほど開催。松岡は京阪電車46駅をめぐりその土地の歴史・文化・風土から店舗・企業・学校を訪ね、独自の立体街道図を構築。オープニングイベントでは川崎和男氏と対談。また、町田康、柴咲友香、いしいしんじ、束芋他10人の多彩なアーティストらが展示協力。京阪電車貸切りイベント「エディットトレイン」も大好評。主催は、大阪大学+京阪電車鉄道株式会社他。 |
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2012-2014 | 蘭座 連志連衆會の会員のために福原義春氏とともに開催してきた「椿座」をリニューアルし、豪徳寺の松岡の拠点であるGISISビルの本棚空間「本楼」で開催した日本文化サロン。福原氏・松岡による座談とともに、井上鑑氏(作編曲・キーボード)・松本蘭氏(バイオリン)による演奏や、緒方慎一郎氏がプロデュースする八雲茶寮の茶菓のふるまい、着物コーディネーターの江木良彦氏による和装なども楽しめる格別なサロンとして展開。 |
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2012-2017 | ハンセン病制圧プロジェクトのメディア編集 長年にわたり、世界のハンセン病制圧事業に取り組んでいる日本財団(笹川陽平会長)の活動成果を広く内外の人々に発信するとともに、ハンセン病に対する差別や偏見をなくすための啓発活動をサポートする情報メディア編集プロジェクトを松岡が監修。笹川氏とともに世界中のハンセン病蔓延国の状況をドキュメントする映像制作、世界と日本のハンセン病の歴史と現在を紹介する書籍『ハンセン病 日本と世界』(工作舎)編集、ハンセン病情報発信サイト(カドベヤ)の企画構成などを展開。 |
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2012-2013 | 新潟県弥彦村活性化計画 越後一宮・彌彦神社と全国唯一の村営競輪場をもつ人口約8000人の新潟県弥彦村の活性化のために、さまざまな事業を監修・協力。特別番組「越後の国 おやひこさま-知られざる神事を松岡正剛が読み解く」(新潟放送創立60周年記念)への出演、第11回門前町サミット弥彦の企画監修、さらに『わたしが情報について語るなら』を課題図書とする小学6年生を対象にした講演会なども実施。 |
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2012-2014 | ネットワン・システムズCI計画 ネットワン・システムズの本社ビル移転にともなう、ロゴおよびシンボルマークのデザインリニューアルを松岡が監修、松岡事務所および編集工学研究所がCI導入のためのアンケート調査から、キャッチコピーの編集、デザインまでを行い、ネットワンの理念である「匠」の文字を意匠化した斬新なCIが誕生した(デザインは編集工学研究所の富山庄太郎)。あわせて、新しいロゴとシンボルのもつ意味をあらわすムービーも制作。その後も、さまざまな広報ツールや本社ビルのスペースづくりも展開している。 |
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2012-現在 | 帝京大学共読ライブラリプロジェクト 国内の大学では極めてまれな全学的な総合型読書プログラム「共読ライブラリー」を推進。共読とは、本を「読み合い、薦め合い、評し合う」という躍動的な読書スタイルのことで、松岡の編集工学にもとづくメソッドでもある。大学内のメディアライブラリーセンター(MELIC)を中心に、学生チーム「共読サポーター」が組織化され、未来の図書館を考える「MITOプロジェクト」、地域との連携をはかる「どこでも図書館」、すべての活動をつなぐ「共読ステーションプロジェクト」などを展開。また、ものづくり集団「東組」と共同開発した「黒板書架」は図書館界で話題となった。 |
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