- 2022.02.10 NEWS
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NEWS 册影帖第二弾『雑品屋セイゴオ』完成!
当チャンネルで昨秋からスタートしたスペシャルコンテンツ「册影帖(さつえいじょう)」第二弾『雑品屋セイゴオ』がこのほど完成し、公開しました。
「册影帖」は、長年にわたりセイゴオの活動現場を激写してくださってきた写真家の川本聖哉さんが、セイゴオの本の宇宙=ビブリオコズムを1冊ずつ撮りおろす特別企画です。第一弾では『フラジャイル』(筑摩書房・ちくま文庫)をとりあげ、セイゴオの「弱さの哲学」と羽良多平吉氏の繊細なエディトリアル・デザインを、緻密な照明設計のもと結晶感覚あふれる映像作品として仕上げていただきました。
このたび公開した第二弾は2018年に春秋社から刊行した『雑品屋セイゴオ』。1970年代に「NW-SF」というサイエンスフィクション専門雑誌にセイゴオが連載していた「スーパーマーケット・セイゴオ」をもとに、本書のために新しい物品を数多く追加してまとめた一冊です。
『フラジャイル』ではセイゴオの文章を書写したプラスチック板を細密破片にするなど、驚くべき工作力も発揮した川本さん、今回はさらに『雑品屋セイゴオ』の章立てに合わせた7色の小函や回り灯篭などを手作りして、セイゴオのオブジェ愛やフェチ感覚を見事に表現しています。
音楽は金沢在住のマルチアーティスト・モリ川ヒロトーさん。川本さんの組み上げた映像をもとに、「ザッピング」感覚あふれるユニークな音楽から、揺れる光や風を思わせるアンビエントな音楽まで、多彩な調べを用意してくださいました。
さらに、『雑品屋セイゴオ』の全アイテムのイラストおよび装幀を担当した菊地慶矩さんも特別出演。名人技の切り絵をこの映像のために再現していただきました。もちろんセイゴオ本人も、川本さんの演出と照明技術によって、意外な姿で登場します。
朗読はイシス編集学校で研鑽を積んだ編集ディレクターの金宗代さん。タイトルおよびクレジットなどの文字デザインは編集工学研究所の穂積晴明さん。さらにイシス編集学校の各種メディアプロジェクトを牽引する吉村堅樹さんとそのご家族が「手タレ」として出演。
切り絵を実演中の菊地さんに愛用のCANONで迫る川本さん。菊地さんの手は驚くほどの早業で、あっというまに切り上げてしまう。
次々と色小函を開けていくシーンのために、吉村堅樹さん・青柳奈都子さん・翠秀さん・妙果さん一家が「手タレ」として出演。予想外の動きをする翠秀さん・妙果さんに、百戦錬磨のカメラマン・川本さんも振り回されっぱなし。
「電気冷蔵庫」のシーン。セイゴオが「全写真家が嫉妬するすばらしい映像」と絶賛。冷蔵庫にシダを繁殖させていた伝説的映像作家ジャック・スミスへのオマージュにもなっている。
「册影帖」は今後もぞくぞく制作・公開していきます。乞うご期待。
文:太田香保
写真:川本聖哉(いずれも册影帖より) 撮影現場写真:太田香保
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