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2020.08.03 REPORT

「角川武蔵野ミュージアム」がプレオープン、式典が行われました

8月1日(土)、埼玉県東所沢市に「角川武蔵野ミュージアム」が竣工し、プレオープン(一部公開)されました。

 

公開に先立ち、隈研吾さんや荒俣宏さん、セイゴオ、さらには芸術学・美術教育の研究者である神野真吾さん、プラントハンターの西畠清順さんなど、設計・企画にたずさわった人々が一同に集結。ミュージアムのエントランス前で式典が執り行われました。

 


角川武蔵野ミュージアムの前で式典

プレオープンにあわせたかのように梅雨明けの快晴となり、太陽が照りつけるなかでの式典となった。

 

式典では関係者と記者陣が集まるなか、KADOKAWA代表取締役社長の松原眞樹さん、所沢市長の藤本正人さんによるスピーチが行なわれ、最後にミュージアム館長のセイゴオがあいさつをつとめ、意気込みを語りました。

 

 

――――私は、すべての文化はオフセンター、脇、側、突端からでてくると思っています。ミュージアムでは、生命の源流であるシアノバクテリアから宇宙の果てのブラックホールまで、美術品をはじめとするハイカルチャーなものから、マンガや雑誌といったサブカルチャーなものまで、世界のありとあらゆるものを扱い、これまでにない新しい組み合わせで館内に出没する仕掛けを考えています。できれば、角川がビジネスマインドとして掲げている“メディアミックス”を見せたい。電子ネットワーク上の仮想空間を現実化したものと思ってもらってもいいです。リアル&バーチャルなミュージアムを目論でいます。ぜひ来館者には“イマジネーション”や“連想”を大いに楽しんでもらいたい。(セイゴオスピーチ抜粋)

 

最後に館長からのキャッチフレーズとして、「ふきだしのいっぱいあるミュージアム」と一言で締めくくって、スピーチを終えました。

 


スピーチ後のテープカットの瞬間
左から隈研吾さん、セイゴオ、宮田亮平さん(文化庁長官)、角川歴彦(角川文化振興財団理事長)。その他、下記の方々が参列しました。藤本正人さん(所沢市長)、神野真吾さん(KCMアドバイザリーボード)、井上伸一郎さん(KCMマンガ・ラノベ図書館クリエティブ・ディレクター)、川上量生さん(KADOKAWA代表取締役副社長)、西畠清順さん(プラントハンター)、石戸奈々子(デジタルえほん代表取締役)、夏目公一郎(KCM EJアニメミュージアム 、クリエイティブディレクター)、荒俣宏さん(博物学者)

 

スピーチ後に言葉を交わすセイゴオと角川会長

角川会長は「松岡さんにお声がけしたのは2015年の冬でしたね」とプレオープンにいたるまでの経緯を嬉しそうにふりかえった。

 

今回のプレオープンに合わせて公開されたのは「マンガ・ラノベ図書館」と「隈研吾/大地とつながるアート空間の誕生―石と木の超建築」。セイゴオが監修する角川武蔵野ミュージアム4階の本の空間「EditTown」、「本棚劇場」と、ダ・ヴィンチストア内の「ETQ(エディットタウンキューブ)」は、11月6日のグランドオープンにあわせて披露される予定です。(詳しくはこちら

 

ミュージアム1Fグランドギャラリーで展示中の「隈研吾/大地とつながるアート空間の誕生」を隈研吾事務所の宮本武典さんの案内で観覧(左上)。設置されている本棚には千夜千冊エディションも並ぶ(右上)。9月5日(土)には、当ギャラリー内で隈さんとの対談トークを行う予定。(近日詳細をお知らせします)

 

11月6日のグランドオープンにむけて準備中の本の空間「EditTown」(上段)と「本棚劇場」(下段)の空間の仕上がりも確認。

 

「本棚劇場」内で、隈さんと並び記者陣に棚のコンセプトを話すセイゴオ
撮影:西村俊克

 

――――天高8mの空間の四方に、武蔵野の地層のようにつみあがるような棚になることを意識しました。できあがってみると、日本独特な“違い棚”が無数にくみあわせって、カタチが永続的かつ反復的になって、イマジネーションが刺激される空間になった。隈さんに素晴らしい仕事をしていただいたと思っています。(セイゴオ)

 

――――当初は“違い棚”という発想はありませんでした。松岡さんに何度もアドバイスをいただきながら、ああでもないこうでもないと試行錯誤していったなかで完成した本棚です。非常におもしろいものになりましたね。(隈研吾さん)

 

取材・文:寺平賢司
撮影:小森康仁・西村俊克・後藤ゆかり