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2022.11.23 PUBLISHING

【Publishing】千夜千冊エディション26冊目『戒・浄土・禅』刊行

11月25日、千夜千冊エディション26冊目となる『戒・浄土・禅』が刊行されます。日本仏教に関連する千夜千冊ばかりを集めて編集した一冊で、2021年4月刊行の『仏教の源流』に次ぐ仏教シリーズ第二弾という位置づけとなります。

 

 

この『戒・浄土・禅』を成り立たせるために、セイゴオは今年の7月以降、末木文美士『日本仏教入門』(1802夜)、源信『往生要集』(1803夜)、明恵『明恵上人集』(1804夜)、日蓮『立正安国論・開目抄』(1805夜)、富永仲基『出定後語』(1806夜)、嵩満也ほか編『日本仏教と西洋世界』(1807夜)、大谷栄一ほか編『近代仏教スタディーズ』(1808夜)、『日本仏教の礎』(1809夜)、木内堯央『最澄と天台仏教』(1810夜)と全9本もの日本仏教本を新たに取り上げ、Web千夜千冊に連打していきました。「エディション」に収録するために同じテーマの本をたてつづけにWeb千夜千冊に取り上げていくということはこれまでも頻繁にありましたが、ここまでの大量追加は異例のこと。いまのセイゴオにとって、それほどまでに日本仏教が重要な研究テーマになっているのです。

 

その甲斐あって、『戒・浄土・禅』は第一章冒頭で『日本仏教の礎』と末木さんの『日本仏教入門』を取り上げ日本仏教の潮流を俯瞰的に案内し、第四章(最終章)で『日本仏教と西洋世界』『近代仏教スタディーズ』によって今日につながる日本仏教の位置づけや可能性を示唆するというように、コンパクトな文庫本ながら日本仏教の巨きな見取り図を提示して見せました。もちろんそのあいだには、空海・最澄・源信・法然・明恵・親鸞・道元・日蓮・白隠・富永仲基・清沢満之・鈴木大拙・西田幾多郎といった、セイゴオ好みの目にも綾な仏教者・思想家たちの顔ぶれを揃えています。

 

 本書は、ぼくの編集思想にとって最も挑戦しがいのある課題に充ちた一冊になった。すべて日本仏教にかかわる大事な本ばかりで組み立ててあるが、ぼくには「仏教を編集する」ということが、今日一番の刺戟的な試みで、それゆえ日本にとってはなによりも焦眉の課題だと感じられてきたからだ。
  ――松岡正剛 追伸「日本仏教列車に乗りあわせて」より

 

 

表紙の仏画は、棟方志功の《二菩薩釈迦十大弟子》の「阿難陀」。町口さんが本エディションのために提案をしてくれた十数枚のデザイン案には錚々たる写真家たちによる仏像写真もあったが、セイゴオはこの棟方志功の描く阿難陀の目力に一目惚れ。字紋はこのエディションならではの「仏」。

 

 

角川ソフィア文庫千夜千冊エディション
『戒・浄土・禅』
2022年11月25日発行

 

第一章 日本仏教の発色

末木文美士『日本仏教入門』1802夜
空海『三教指帰・性霊集』750夜
木内堯央『最澄と天台教団』1810夜
黒田俊雄『王法と仏法』777夜  ほか

 

第二章 浄土と安国

源信『往生要集』1803夜
法然『選択本願念仏集』1239夜
明恵『明恵上人集』1804夜
親鸞・唯円『歎異抄』397夜
日蓮『立正安国論・開目抄』1805夜

 

第三章 禅の感覚

道元『正法眼蔵』988夜
夢窓疎石『夢中問答』187夜
一休宗純『狂雲集』927夜
白隠『夜船間話』731夜
鈴木大拙『禅と日本文化』887夜

 

第四章 今日に問う仏教

富永仲基『出定後話』1806夜
嵩満也ほか編『日本仏教と西洋世界』1807夜
大石栄一ほか編『近代仏教スタディーズ』1808夜
西田幾多郎『西田幾多郎哲学論集』1086夜
久松真一『東洋的無』1041夜   ほか

 

 

記事:太田香保 写真:寺平賢司
*撮影につかった花・ランプはイシス編集学校第15季[離]学衆からの贈り物