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2022.07.13 PUBLISHING

【Publishing】千夜千冊エディション25冊目は『読書の裏側』

7月25日、千夜千冊エディション最新刊『読書の裏側』が発売となります。2018年のシリーズ刊行開始から4年、この一冊をもってエディションは25冊を突破します。『本から本へ』から始まったエディションの大きな節目に登場する、まさに千夜千冊ワールドの“本丸”ともいえる一冊です。

 

黒を基調に書物の裏側感が強調されたカバーデザイン(by町口覚さん)。帯には編集・執筆・翻訳から校正・装幀・挿絵、さらに製本・出版・書店まで、本にまつわるさまざまな“修羅たち”が勢ぞろい。

 

カバーのタイトル横、2枚の“のれん”のように見える白い線は、本書の字紋「册」(by浅田農さん)。フィギュアのセイゴオも満足気。

 

 

『読書の裏側』は、本も行間も自在に裏読みできる目利きや先達たちの“読腕ぶり”とともに、内外の鬼才編集者やカリスマ書店主の剛腕、またセイゴオも瞠目する痛快読書ナビゲーターたちの辣腕が鎬を削り合うようにひしめく、筋金入りの本好きのための構成となっています。部立てと、主な収録千夜は次のとおり。

 

 

千夜千冊エディション『読書の裏側』
角川ソフィア文庫 2022年7月25日刊 本体価格1650円(税別)

 

第一章 配剤を読む

青木正児『華国風味』59夜
松原秀一『中世の説話』540夜
田中正明『ボドニ物語』128夜
マイケル・ディルダ『本から引き出された本』1527夜 ほか

 

第二章 暗示と修羅を読む

林達夫・久野収『思想のドラマトゥルギー』336夜
花田清輝『もう一つの修羅』472夜
ジャック・サイプズ『おとぎ話が神話になるとき』673夜
ハンフリー・ジェニングズ『パンディモニアム』248夜 ほか

 

第三章 本の企図を読む

吉野孝雄『宮武外骨』712夜
松原一枝『改造社と山本実彦』722夜
A・スコット・バーグ『名編集者パーキンズ』1716夜
小林祥一郎『死ぬまで編集者気分』1596夜 ほか

 

第四章 本棚を読む

シルヴィア・ビーチ『シェイクスピア・アンド・カンパニイ書店』212夜
リン・ティルマン『ブックストア』727夜
ヘンリー・ペトロフスキー『本棚の歴史』1186夜
草森紳一『本が崩れる』1486夜 ほか

 

第五章 もう一度、読む

ピート・スフリューデルス『ペーパーバック大全』237夜
門谷建蔵『岩波文庫の赤帯を読む』515夜
柿沼瑛子・栗原知代編『耽美小説・ゲイ文学ブックガイド』137夜
斎藤美奈子『本の本』1297夜 ほか

 

 

――読書は自由気儘なものである。クイズ番組のように本を読むのはやめたほうがいい。読書に正解はなく、読書に王道はない。・・・読書は「具合」なのである。その具合は相手次第だ。ぼくはそこをあえて「読書は交際である」と言ってきた。交際には裏側もある。
        追伸『読書で「具合」を愉しむ』より

 

 

なお、千夜千冊エディション刊行25冊突破を記念し、版元のKADOKAWAとともに松岡正剛事務所で書店用の記念POPを作成しました。書店からの希望に応じてKADOKAWAからお届けする予定。

 

25冊突破記念POPはA6サイズ、A4サイズ×2枚の2種類。ちょっぴり強面のセイゴオが「読書は格闘技だ。松岡正剛が止まらない」「本がいのちで悪いか」と、本を手にすごんでみせる。コピーは松岡正剛事務所、デザインは富山庄太郎さん。

 

特製の千夜千冊棚(設計:三浦史朗さん)に、25冊のエディションと記念POPを並べて、一足先にフェア棚を演出してみた。

 

アートや写真に通じているデザイナーの町口覚さんのおかげで、千夜千冊エディションのカバーは一冊たりとも似たものがないほどのバリエーションを連打しつづけてきた。フェア棚ではどんなふうに各エディションを並べても異様なほど濃密な空間が出現する。

 

 

記事:太田香保 写真:寺平賢司・上杉公志