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2020.08.14 PUBLISHING

千夜千冊エディション最新刊『物語の函』まもなく発売!

8月25日、千夜千冊エディションの最新刊『物語の函』が発売されます。今回は10月25日刊行の『方法文学』とあわせて、「世界名作選Ⅰ Ⅱ」と題し、2冊にわたって古今東西の世界文学を一望します。

 

Ⅰとなる『物語の函』では、古代から近世までの古典的名作を扱った千夜千冊を集成。『オデュッセイアー』を皮切りに、『オイディプス王』、『神曲』、『ガルガンチュアとパンタグリュエル』といった長大なスケールの物語が“世界文学の母型”を指し示し、『リア王』、『ドン・キホーテ』、『ガリヴァー旅行記』といった実験小説が“人間の愚かさ”を暗示。さらには『マノン・レスコー』、『嵐が丘』、『ボヴァリー夫人』、『女の一生』らの作品群が、近世の女性の躍動と葛藤を告げ、『赤と黒』や『カラマーゾフの兄弟』、『アンナ・カレーニナ』といった問題作が、“近代が抱えた病”を炙りだします。

 

これでもかとラインアップした名だたる物語たちを、セイゴオが編集技法を駆使してハイパー要約、「世界文学全集」をまるごと凝縮したような濃密エディションになりました。

 

つづく、Ⅱの「方法文学」では、メルヴィルからカフカ、ジョイス、サリンジャー、ギンズバーグ、ガルシア=マルケスといった近代から現代にかけての文学をとりあげます。物語構造の内外を出入りする方法が意識化され、ときに過剰になっていった時代の作品が勢揃いします。

 

表紙にはギュスターブ・ドレによる「ドン・キホーテ」の挿絵がレイアウトされている。口絵には、田中泯さんが登場。泯さんの身体にドレの挿絵がプロジェクションされているという多重多層な写真になった。(詳しくはこちら)

 

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オデュッセウスとリア王の「負」と「裂け目」。

ドン・キホーテとカラマーゾフの兄弟の計画。

物語の函には「意外」と「以外」と「遺骸」が詰まっている。

モル・フランダースとマノン・レスコーとカルメンの「偏愛」と「邪険」。

古来、名作は力と挫折、愛と罪、希望と裏切りを書いてきた。

いったい、何を付け加えれば気がすむというのか。

 

巻頭「前口上」より

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角川から届いたばかりの『物語の函』見本を受け取り、嬉しそうにしげしげと眺めるセイゴオ。

 

『物語の函』
2020年8月25日

定価:1460円(税別)