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2020.06.12 PUBLISHING

千夜千冊エディション最新刊『宇宙と素粒子』が刊行!

千夜千冊エディションの最新刊『宇宙と素粒子』が本日6月12日に刊行されました。

俳号を“玄月”とし、月明派を自認するセイゴオが、極大の宇宙から極小の素粒子までをめぐる本をちりばめました。
 
ガリレオ、ケプラー、ハッブルに始まる「天体意識のめざめ」から、熱力学的世界観をはさみ、セイゴオが絶大な影響をうけたヘルマン・ワイル、さらに「万物理論」の悩ましさへと誘います。
 
137億年の宇宙史を相対性理論やインフレーション理論やダークマターの謎によって案内した上で、第4章「千一夜の宇宙論」には千夜千冊史上最長の『エレガントな宇宙』(ブライアン・グリーン)全編を組み込みました。
 
最後にパリティの問題、部分と全体の関係の問題、ゲージ理論、ヒッグス粒子など量子力学の頭目たちの代表作が並び、ゆらぎ、ゆがみ、構造、秩序、時間などの概念を追いながら、「宇宙の見方」と「見方の宇宙」のあいだに隠れた方法をあぶり出します。
 
カバーと口絵には、折り紙作家の前川淳氏による作品「樹状分岐円錐」、「幾何級数的つなぎ折鶴」をそれぞれ掲載し、幾何学的宇宙観を表現しました。
 
 
 
「宇宙はまわっている。地球も月も太陽も銀河も銀河系も、電子も原子も花粉も木の根っこもウイルスも、みんな絡んでいる。ビッグバンが素粒子をつくり、素粒子が物質をつくってきた。でも、時間をめぐる3つの矢の区別も、4つの力の重力量子化も、ゲージ理論の効用も、結着がつかないままにある。万事、香ばしくも悩ましい。」(前口上より)
 
『宇宙と素粒子』

目次 :

第1章 天体のめざめ ガリレオ・ガリレイ『星界の報告』1734夜 / ヨハネス・ケプラー『宇宙の神秘』377夜 / エドウィン・ハッブル『銀河の世界』167夜 ほか
 
第2章 時間・エントロピー・ゆらぎ リチャード・モリス『時間の矢』1061夜 / ピーター・W・アトキンス『エントロピーと秩序』368夜 / ジョン・バロー『万物理論』1180夜 ほか
 
第3章 宇宙を物理する 佐藤勝彦『宇宙137億年の歴史』1733夜 / アルバート・アインシュタイン『わが相対性理論』570夜 / リオーダン&シュラム『宇宙創造とダークマター』687夜 ほか
 
第4章 千一夜目の宇宙論 ブライアン・グリーン『エレガントな宇宙』1001夜
 
第5章 素粒子と量子 ヤン・チェンニン(楊振寧)『素粒子の発見』1739夜 / ヴェルナー・ハイゼンベルク『部分と全体』220夜 / 浅井祥仁『ヒッグス粒子』1506夜 / ほか
 
文:西村俊克