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2021.09.24 EVENT

EVENT【千夜千冊エディションフェア特集㊶】超絶編集派が結集-MARUZEN&ジュンク堂書店梅田店第二弾

すでに7月から小規模なエディションフェアを開催してきたMARUZEN&ジュンク堂書店梅田店で、いよいよ本格知祭りが始まりました。エディター、デザイナー、構造設計士などのアルス派が揃ったイシス編集学校関西チームが、ここぞとばかりにアイデアと手わざを結集、書店における「フェア」の概念をはるかに凌駕する見事な棚づくりをしてくださいました。

イシス編集学校きっての本の“匠”であり千夜千冊エディション編集スタッフでもある大音美弥子さんの先導で、グラフィックデザイナーの野嶋真帆さんと構造設計士の山田細香さんが意匠・制作を担当。さらに竹島陽子さん、阿曽祐子さん、廣瀬良二さん、網口渓太さん、敷田信之さん、景山和浩さん、西村慧さん、嶋本昌子さんが企画・編集から設営まで、にぎやかな自発力を発揮して参画してくださいました。

以下、イシス編集学校の梅澤奈央さんからいただいたレポートと木藤良沢さんによる写真によって、MARUZEN&ジュンク堂書店梅田店のフェアの様子をご紹介します。

MARUZEN&ジュンク堂書店梅田店は国内最大の2000坪超の売り場面積を誇る、大型書店です。これまで2F文庫コーナーでささやかに開催されてきた「エディションフェア」が、5階芸術書イベントコーナーに場所を移動するとともに、規模も内容も拡充。

 

野嶋真帆さんが綿密にデザインプランを組み立て、山田細香さんが立体化のための設計を担当。さらに冊匠・大音美弥子さんが、知祭りのための「火入れ役」となってかっとびアイデアを連打。この「浪速の三女傑」の連携プレーのもと、破壊的なまでの編集力を誇る関西チームが集結して次々にヒットを飛ばし、唯一無二の華やかな知祭り空間が出現しました。

 

エスカレータで5Fにあがってくると、お馴染みのフェアポスターとともに、エディションのシンボル「字紋」をあしらったオリジナルパネルがお出迎え。

 

エスカレータを降りて回り込むと、ここでもポスターとパネルが並んでフェアコーナーへと誘導してくれます。

 

パネルには、各千夜千冊エディションから、「知祭り」にふさわしいセイゴオ語録を引用。

 

平台の上に立体的にしつらえられた全長10メートルにおよぶ知祭り棚。

 

書店側が用意していた平台のうえを立体展示空間にするために、まず手配されたのが30センチ角のアクリルボックス。山田さんが大阪本町の什器問屋に掛け合って、非売品のものも含めて10個を揃えました。

 

さらに、重い本を並べたときのアクリルの撓みを防止するため、ボックスのあいだにはMDFボードを挟みこんでいます。

 

千夜千冊エディションを「知」「ま」「つ」「り」の4つのカテゴリーに分け、それぞれ関連書とともに並べてゾーンを構成しています。白黒の旗印ももちろんオリジナル。

 

知祭りのシンボルとして掲げられた大きな幟は、イシス編集学校がプロデュースした「編集64技法風呂敷」を加工したもの。セイゴオが体系化した編集術体系を、編集工学研究所デザイナーの穂積晴明さんがデザイン化したスタイリッシュな風呂敷です。(写真は、山田細香さん)

 

 

 

8月に刊行された『資本主義問題』を含めて全21冊のエディションを、「知=知をたどる」「ま=まとめる」「つ=つみつくり」「り=りかいする」の4つのカテゴリーに分け、それぞれにシンボルカラーを設定。

 

ブルーの“リボン”があしらわれた「り=りかいする」の理科本3冊。関連本が充実すればするほど埋没しがちな文庫のエディションをひと際目立たせるための、鮮やかなアイデアです。

 

フェア棚のそちこちに、なんと立方体の六面に字紋をあしらったオブジェもお目見え。本と本のあいだでブックエンドがわりとしても大活躍。

 

次々に斬新な知祭り用ディスプレイグッズを生みだす山田さんが、字紋サイコロも考案。技巧派チームの手にかかると、あまりの完成度の高さに、手作りグッズが手作りに見えないくらいです。

 

こちらもエディションを目立たせるために投入された台座。高さを変えて全部で8台、すべて山田さんの私物です。そこに、取り外し可能な天板をMDFボードで作成して加えています。

 

松岡正剛事務所が用意したフェア用共通POPと、梅田店フェアチームが作成したサインやオブジェ、さらに編集学校による風呂敷も加わって、目にも鮮やかな知祭り棚。情報量が多いのに乱雑に見えないのは、情報編集と情報デザインの“職人”たちの技が結集されているからです。

 

これほど手が込んだフェアですが、この場所での開催は9月25日まで。その後はさらに1階に場所を移して10月4日まで開催される予定です。

 

フェア担当の大下朗さんに、1階での展示プランを説明する野嶋さん。

 

大下さんは、「エディション」が過去の名著を束ねて蘇らせるかのような棚構成をご覧になり、「次々に本に手が出てしまう仕掛けが魅力的」と大喜び。

 

なお、本知祭りのメイキング情報も含めたより詳細なレポートが、イシス編集学校の「遊刊エディスト」に公開されています。あわせて御覧ください。

 

 

MARUZEN&ジュンク堂書店 梅田店
https://honto.jp/store/detail_1570065_14HB320.html

 

フェア開催期間:第1弾 9月5日~9月25日 (5階) 第2弾 9月26日~10月4日(1階)

 

*こちらの記事も御覧ください。

【千夜千冊エディションフェア特集㊱】MARUZEN&ジュンク堂書店梅田店