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2021.08.18 EVENT

EVENT【千夜千冊エディションフェア特集㊱】9月の本格開催に向けて虎視眈々―MARUZEN&ジュンク堂書店梅田店の知祭り

ジュンク堂書店難波店、ジュンク堂書店大阪本店、田村書店千里中央店に続き、大阪からまたまた知祭りのレポートが届きました。今度は、大阪の中核「キタ」、梅田にあるMARUZEN&ジュンク堂書店梅田店です。現在は「エディション」を並べただけの小規模な開催ですが、このあと9月から、イシス編集学校関西チームの協力のもとに大規模なフェアの開催を予定しています。

そのチームメンバーである、野嶋真帆さん、山田細香さん、さらに東京から冊匠こと大音美弥子さんも参加し、現場下見と作戦会議を兼ねた取材をしてくださいました。以下、山田さんのレポート・写真と野嶋さんの写真でお届けします。

 

商業ビルが連立する大阪梅田駅周辺の繁華街《通称:キタ》は、昔も今もその賑わいは変わらず、大阪の成長を牽引してきました。なかでキタ随一の若者の街として知られているのが、茶屋町界隈。池田街道筋を往来する人々が花の風情を楽しむためのお茶屋が並んだ行楽地でした。

 

明治時代には39mもある眺望用の高層建物「凌雲閣」が建設されました。現在は高さ100mを超える赤い大観覧車がランドマークとなっています。

 

高層ビルのほとんどが総合設計制度を採用し公開空地を設けているため、ビル街でありながら美しい景観が見られます。大学の新校舎やサテライトが集積したことで、近年さらに活気を増しています。

 

こちらがエディションフェアの開催地であるMARUZEN&ジュンク堂書店梅田店の入っているCHASKA茶屋町。地階2階・地上23階の超高層ビルで、2010年竣工、基本設計は安藤忠雄さんです。街の賑わいに呼応したモニュメンタルな建物であり、打ち放しコンクリートのV字柱を基軸にした幾何的な造形に安藤建築のらしさを感じます。

 

この建物の地階1階から7階がMARUZEN&ジュンク堂書店梅田店です。ジュンク堂書店池袋本店を凌ぎ、国内最大の売場面積と蔵書数を誇る大型書店です。

 

こちらはフェア棚ではなく、2階の文庫・新書売り場の千夜千冊エディションコーナー。ふだんから全冊が揃えられています。

 

5階の芸術・人文書籍売り場に常設のセイゴオコーナー。ちなみに、ここにある本のほとんどはセイゴオの弟子筋にあたるクリエイターたちがエディトリアルデザインを手がけたものです。まるで書棚で注目度を競い合っているかのよう。

 

こちらが、2階のエスカレーター横にしつらえられた千夜千冊エディション知祭りゾーン。9月からの本格フェアに向けての前哨戦としてミニサイズで実施中です。眼光するどく行き交う人達を見つめるセイゴオ。「世界知はココにあり」と声が聞こえてきそう。

 

町口覚さんが手がけるエディションのカバーデザインは、面陳しても平置きしても注目を集める力があります。

 

フェアを担当してくださっている大下朗さん(写真中)に話をうかがう大音さん(左)と山田さん(右)。

 

 

比較的若いお客様が多く来店するという梅田店での、「エディション」の動きをうかがってみました。

 

「タイトルごとに跳ねるというよりも、『本から本へ』『デザイン知』『文明の奥と底』の3巻で固定のファンが付いたという印象です。20代の人たちは松岡正剛さんの本は難しいと思っている人も多いと思いますが、エディションなら自分の興味のあることから入っていける。読書の間口を広くフラットにしていって欲しいですね」。

 

大下さんのお勧めエディションは『デザイン知』。京都出身の大下さんは、かなりの焼きもの好きだそうです。

 

「焼きものは人間の営みの中でもっとも古い仕事のひとつだと思います。みんな自分の技術のようにやっているけれど、それはすべて先達の痕跡。自分で習得しているようで自分の技術ではない。その“あいだ”の感覚が面白いんです」

 

熱く語る大下さん。本も連綿と続いてきたものであり、最古のメディアであることは焼きものとの共通点かもしれません。

 

そんな大下さんのもとで始まる本格知祭りは、9月5日から5階でスタートし、26日から10月4日までは1階でも展開予定。梅田に集う若者と本の“あいだ”をいかにしてつなぐか、乞うご期待!

 

9月のフェアの準備のためにさっそく什器の計測をはじめる山田さん。専門は建築です。

 

 

 

MARUZEN&ジュンク堂書店 梅田店

https://honto.jp/store/detail_1570065_14HB320.html

フェア期間:現在はミニフェア開催中
第1弾 9月5日~9月25日 (5階)
第2弾 9月26日~10月5日(1階)