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2021.08.17 EVENT

EVENT 【千夜千冊エディションフェア特集㉝】脇見を愉しめる書店―ジュンク堂書店柏モディ店の知祭り

千葉県では丸善津田沼店でフェアが開催されていましたが、もう一ヵ所、柏市のジュンク堂書店でも7月からフェアが始まっています。以下、仕掛人の相部礼子さんのレポートと写真でその様子をご紹介します。

柏市は、千葉県の北西部にある東京都のベッドタウンです。人口は43万人。柏駅を出て東口には、千葉県で唯一の全蓋型のアーケード「二番街」があります。名前の由来は「一番になると次に目指すものがない。“二番”として、いつも一番になるよう、挑戦しつづける街でいよう」という考えからきているそうです。

 

ジュンク堂書店柏モディ店はこの二番街の奥にあります。2016年に丸井柏店マルイ館が改装されできたのが柏モディで、その5階ワンフロアをジュンク堂柏モディ店が占めています。

 

エディションフェアは、店舗中央、エスカレーターのすぐ横で開催されています。

 

最上段の黒を基調としたメインポスターと記念冊子が目を惹きます。

 

最下段にはロングセラーの『17歳のための世界と日本の見方』とともに、『擬』『空海の夢』『江戸問答』が並びます。

 

伊藤副店長(写真)の記憶ではたしかジュンク堂池袋店でのことだそうですが、本を漁りにきたセイゴオを偶然見かけたことがあるそうです。「すぐに、松岡さんだとわかりましたよ。嬉しかったです。我々よりも本のことをよく知っている人が、選びに来てくれるということは、それだけの品揃えがあって選択に耐えられるお店であるということ、それが証明されたように感じたんですね」。

 

そんな思い出をもつ伊藤副店長が気になる千夜千冊エディションは、『芸と道』とのこと。「関西出身で、落語が好きなんですよ」と言いながら、目次を見ながら「これこれ」と指さしたのが桂米朝『一芸一談』。「米朝師匠が好きですね。この本がいいんです」。そして「どんなことでも“芸”なんですね。本を並べるのもね」。

 

柏モディ店では、ほかにもさまざまなフェアが並行して開催されています。知祭りの並びでは夏らしく「面白野球小説甲子園フェア」が開催されていました。ちなみに甲子園フェアの前には競馬に関するフェアでした。フェアのテーマは「スタッフがやりたい」というものを取り上げているそうです。

 

また別な場所では、伊藤副店長が作られた、熊に関する本を集めたコーナーもあります。なんでも、山で熊がいた痕跡を見つけたことがあり、そこから熊の生態が気になって本を集め出したのだとか。

 

「知りたい」と思った時に、ここに来てくれればそれに関する本がある。そういうことを示せるということが書店の役割として大事なのだ。そう、伊藤副店長は語ります。「だからこそ、知識の入口となる手がかりの本は重要で、専門の道に至るための鍵となる本は、動きが多少悪くても置いておくように心がけています」。

 

脇目もふらずに欲しいものを手にいれるのがネット通販だとすると、たくさんの選択肢から選ばれた本の森を、脇見しながら散歩するような気分を味わえるのが書店の醍醐味だといえるでしょう。丸善津田沼店はまさにそんな書店をめざしているようです。

 

仕掛人の相部礼子さんのおすすめエディションは『ことば漬』。メッセージもいただきました。

 

日常の様々なことをほとんど言葉を使って処理している。その「ことば」を客観的に考えるきっかけになる本だから選びました。追伸の中の「母国語に夢中になってみる」という一言も印象的でした。

 

 

ジュンク堂書店 柏モディ店

https://honto.jp/store/detail_1570164_14HB320.html

*千夜千冊エディションフェア期間:2021年7月1日~8月31日