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2021.06.23 EVENT

【千夜千冊エディションフェア特集⑬】丸善京都本店でいよいよ知祭り

セイゴオの故郷・京都で、いよいよ千夜千冊エディション知祭りが始まりました。場所は、売り場面積1000坪、蔵書約100万冊を誇る丸善京都本店です。

丸善京都本店は、明治5年に丸善京都支店としてスタートし、明治40年に三条通麩屋町で再開設、その後は河原町通蛸薬師へ移転し長く京都市民の書庫として愛されつづけましたが、2005(平成17)年に惜しまれつつ閉店、2015年に現在の京都BALに再オープンしたという波瀾万丈の歴史を歩んできました。

なかで、麩屋町時代に梶井基次郎の小説『檸檬』の舞台として描かれたことが、いまも文学ファンによく知られたエピソードとなっています。2020年8月に丸善創業150周年記念として行ったオンライン講演会「千夜千冊の秘密」でも、セイゴオが檸檬を手にしながら梶井基次郎と丸善のエピソードを紹介し3時間半に及んだトークを締めくくったラストシーンが反響を呼びました。

このセイゴオにとっても特別なトポスに知祭りフェアをしかけたのは、イシス編集学校の福田容子さんです。以下、福田さんから届いた写真とレポートによって、丸善京都本店のフェアの様子をご紹介します。

 

丸善京都本店の知祭りは、地下2Fレジ前の店内最大の特設フェアコーナー。スペースも破格ですが、なんといっても関連図書のキュレーションがすばらしい。

 

エディション『文明の奥と底』の隣にジャレド・ダイアモンド『銃・病原菌・鉄』、フロイト『モーセと一神教』とともに、コンラート・ローレンツ『鏡の背面』、さらにはルネ・ジラール『世の初めから隠されていること』までが面陳されています。

 

なかでも白眉はこの一群。エディション『編集力』のまわりに、フーコー『知の考古学』、ヴィトゲンシュタイン『論理哲学論考』、タルド『模倣の法則』、ベンヤミン『パサージュ論』(全三冊)が平積みされ、あげくにスタフォード『ヴィジュアル・アナロジー』もずらりと並ぶ、めくるめく選書ぶりです。

 

エディション&松岡正剛著書コーナーも充実かつ贅沢な陳列。

 

松岡正剛著書コーナーでひときわ目を惹くのが求龍堂の『千夜千冊全集』の真っ赤な砲列。もちろん販売用。こういう大部な全集までさらっと置いてしまうのが丸善京都本店の凄み。

 

巨大ポスターの前に立つ、本フェア担当の森川佳美さん。手にしたのはお勧めエディションの『サブカルズ』、この機会に挑戦したいというトマス・ピンチョンの『V.』、当店で鉄板人気のヴィトゲンシュタイン『論理哲学論考』。『サブカルズ』は発売されるやいなやどんどん売れたのだそう。

 

店内には梶井基次郎『檸檬』コーナーも常設されている。

「千夜千冊エディション」とともにキーブックや関連本をここまで揃えての強気のフェアの意図について、森川さんにうかがったところ、じつは丸善京都本店では、これが「売れ筋」なのだそうです。
「ご存知のとおり、京都には大学が多くあります。学生さん、大学の先生、研究者の読書欲は、ウェブ時代の今も旺盛です。今回のフェアでは、専門書フロアである地下2階のフェア棚ということもあり、親しみやすい本というよりも、知的好奇心をくすぐる“挑戦したくなる本”を多めに構成しました。松岡さんの言葉で編まれたキーブック解説があることで、知ってみたい気持ちに、さらに火がつくしかけになりました」。

また、もともと「千夜千冊エディション」は、丸善京都本店ではよく売れ、新刊が出るたびに好調に動いてきたとのこと。「最初にフェアのお話を聞いたときに、この企画はいけると確信し、すぐに一番大きなフェア棚を押さえました」。
まさに京都というトポスだからこそ成立したのが、丸善京都本店のエディション知祭りだったのです。

京都知祭りを仕掛けた福田容子さん。手にしているのはがつんと衝撃だったという『文明の奥と底』と、イシス編集学校との縁によって入手したヴィーコの『新しい学』、ベルクソンの『笑い』。

 

丸善 京都本店

https://honto.jp/store/detail_1570144_14HB310.html

*千夜千冊ブックフェア開催期間:6月21日(月)~7月31日(土)

 

2020年8月、コロナ禍のなかでオンライン配信によって行われた丸善150周年記念講演「千夜千冊の秘密」より、檸檬を取り出し梶井基次郎と丸善のことを語るラストシーン。現在、全国の丸善およびジュンク堂書店と、千夜千冊エディションフェア開催書店では、「エディション」購入者全員に、この「千夜千冊の秘密」の動画にアクセスできるQRコードを特典サービスとして進呈しています。