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2021.06.22 EVENT

【千夜千冊エディションフェア特集⑫】九州知祭り続報、熊本の長崎次郎書店のフェア

九州は熊本からも、千夜千冊エディションフェアのレポートが届きました。明治7年創業、森鴎外の『小倉日記』にも紹介されるなど、長きにわたって熊本の書物文化を率いてきた歴史ある書肆、長崎次郎書店です。以下、仕掛人のイシス編集学校・九天玄氣組の吉田麻子さんからの写真とレポートによってフェアの様子を紹介します。

長崎次郎書店にしつらえられた千夜千冊エディション知祭りゾーン。

 

長崎次郎書店は、熊本が九州の政治経済の中心地として最も華やいだ、明治時代初期の創業。現在の建物は保岡勝也の設計によるもので、大正13年に建てられました(国の登録有形文化財)。森鴎外、石牟礼道子などの文化人にも愛された書店です。

 

店内は広くはないですが、とくに人文・文芸・芸術の選書には力を入れているとのこと。ちょうどいまは、「植物」をテーマにしたひときわ涼やかなコーナーが設けられていました。植物学者・牧野富太郎の著書にちなみ、高知の山野に自生した植物で作られたハーブティーなども並びます。

 

 

 

千夜千冊エディション知祭り棚は、同店で特に人気の高い郷土関連書籍の前に作っていただきました。なんと、重厚感のある木のテーブルにすべての本を平置きの贅沢さ。中央に立てられたポスターパネルが異彩を放ち、もっこす気質な熊本県民を“知祭り”へと誘います。

 

エディションフェア担当・児玉さん一推しのエディションは、『方法文学』。「目次をめくるだけでも楽しくて…」と目を細め、「特に『北回帰線』には思い入れがあります。初めて読んだときの衝撃が忘れられません」。

 

前出のボタニカル棚を作ったスタッフ、荒金さんが選んだ一冊は『芸と道』。「自分を律して一つの道を究めた人の言葉は、読むと自分も奮起できそう」というリコメンドに、児玉さんも「それだと思いました」とにっこり。

 いつ行っても欲しい本が数冊は見つかる長崎次郎書店の書棚の秘密を聞いてみたところ、経営母体である長崎書店(熊本市下通)の社長・長﨑健一氏の社員教育方針にあるとのこと。書店スタッフの成長のため、全国の様々な書店や出版社に出張させてくれるのだそう。多くの実例に触れることで得たヒントやアイデアが、新鮮で魅力的な棚づくりに活かされているのです。
 平成26年の大規模リニューアル当初から長崎次郎書店の書棚作りに携わってきた児玉さんは、千夜千冊エディションの一冊目『本から本へ』の作り込まれたブックデザインに驚いたそうです。フェア棚も『本から本へ』の置き場所から組み立てをされたとのこと。「ほかに松岡さんの書籍では、『多読術』が人気ですよ」とも語ってくださいました。

熊本エディションフェアを仕掛けた吉田麻子さん。長崎次郎書店には子どものころから親しんできたのだそう。

 

長崎次郎書店

https://www.nagasakishoten.jp/shinmachi/

*千夜千冊エディションフェアは6月9日~7月末日まで開催