【千夜千冊エディションフェア特集⑨⑩】九州知祭り、鹿児島と小倉で新たにスタート

同時多発的に各所で「千夜千冊エディション知祭り」がスタートしている九州から、またしても二つの書店のフェアのレポートが届きました。ひとつは鹿児島の最大の繁華街・天文館に位置するジュンク堂書店 鹿児島店、もうひとつは「北九州の台所」と称される旦過市場そばのブックセンタークエスト小倉本店。それぞれのフェアの様子を、イシス編集学校・九天玄氣組の松岡竜大さん、当サイトでもすっかりおなじみの九天玄氣組組長の中野由紀昌さんの写真とメッセージ、レポートでご案内します。

 

 

■ジュンク堂書店 鹿児島店

 

ジュンク堂書店 鹿児島店は、天文館のランドマークとなっているマルヤガーデンズの6F。壁面緑化で青々した建物の手前を、日本最南端の路面電車としてファンの多い市電が行き来する。

 

整然とポスター・POPとエディションが並べられたフェア棚と、担当の臼井洋明さん。臼井さんのお勧めの一冊は最新刊『仏教の源流』。

 

中野組長のサポートを受けながら、はじめての棚づくりを経験した松岡竜大さん。イシス編集学校と出会って1年、インタースコアというコンセプトにしびれまくっている。

 

 

＊以下、松岡さんからのメッセージです。

 

千夜千冊は、インターネットで見られる文章の中でも最高レベルのもの、関連リンクや写真も充実していて、まさに超一流の仕事です。その膨大なアーカイブの中から、テーマ毎に選出され文庫化されたコンテンツと、どの様に向き合うか。

印象に残っている松岡正剛さんの言葉があります。ラジオ番組「学問のススメ」で話されたものです。「大量の物をそこに入れて、もう一回何かあるものに見せようとしている。この、カオスに付き合って闘いつづける量は、いずれ決定的なものになる」。

20冊を迎えた千夜千冊エディションには、『神と理性』、『デザイン知』、『少年の憂鬱』をはじめ、どんな方でも繋がれるテーマが一つはあるはずです。それを小さなカオスとして、ポケットや、通勤カバン、枕元に忍ばせ、ちょっとした生活の合間にパラパラとめくりながら、いずれ発酵していく時を待ちましょう。

店頭に、20冊全部あるので、手にとって好きなものを見つけるのに良い機会になるのではと思います。ぼくはプチ網羅癖があるので、全巻購入してます！　（松岡竜大）

 

 

■ブックセンタークエスト小倉本店

 

＊以下、写真もキャプションもメッセージも、中野さんから届いたものです。

 

旦過市場と北九州市立文学館のあいだに位置するブックセンタークエスト小倉本店。市民の憩いの場となっている勝山公園も近く、散歩の途中に立ち寄る方も多い。１階は雑誌・文庫・新書。２階に専門書・学参・漫画。地下には文房具・コスメ・雑貨類もあり、書店を核にしつつも、暮らしに寄り添う品揃え。

 

１階上りエスカレーター手前に設置されたフェア棚。パンチングスチール棚のつぶつぶの穴、開放感あふれる大きなガラス窓、上昇するエスカレーター…その様子に、爽やかな「炭酸水」を連想。知が発泡する棚になりますように！

 

千夜千冊エディションの脇に差し込まれた関連本にご注目。期間中、随時入れ替わるとのこと。どんな本が寄り添うか、来店時のお楽しみです。最新刊の似顔絵ポップは持参（中野作）。

 

「多くのお客様の目にとまるように」とエスカレーター手前に棚を設置、関連本を入れ替えるという方針を立てた店長代理の道免信男さん。もともと理工書担当だったそうで、選んだエディションは『宇宙と素粒子』。

 

 

森鴎外や松本清張、火野葦平など多くの作家を輩出してきた北九州。俳句や文芸サークルも多く存在し、かつては職場雑誌や作品集も多彩に刊行、現在も脈々と受け継がれています。ブックセンタークエスト小倉本店のフェアの提案は、飛び込みでした。急に訪ねたにも関わらず、最初に声をかけた店員さんも、次にお会いできた道免店長も、正面からしっかり向き合ってくださいました。その姿勢に、きっとこの書店さんならフェアに追い風を吹かせてくれるはず、と手応えを感じました。

棚の仕立てはすべて道免店長さんにおまかせしました。フェアのスペースはコンパクトですが、「千夜千冊エディション」とともに関連本を随時入れ替えながらいっしょに並べるというアイデアをうかがったときは、なるほど、その手があったか！と膝を打ちました。こんなふうに一冊一冊の本を丁寧に扱う書店さんがあってこそ、北九州に文芸活動が根づいてきたのでしょう。

 

＊九天玄氣組のフェア隊長として一手に複数店舗を手がけてくださっている中野組長。この日は「フェア記念冊子」の黒とコーディネートしたような出で立ち。

 

 

ジュンク堂書店　鹿児島店

https://honto.jp/store/detail_1570058_14HB320.html

＊千夜千冊エディションフェアは7月末日まで開催。

 

ブックセンタークエスト 小倉本店

https://sekibunkan.co.jp/storelist/kokura_honten/

＊千夜千冊エディションフェアは8月末日まで開催。