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2020.03.28 REPORT

セイゴオ初の英訳本『FLOWERS, BIRDS, WIND, AND MOON:The Phenomenology of Nature in Japanese Culture』(『花鳥風月の科学』)を刊行

セイゴオの著書『花鳥風月の科学』(淡交社→中公文庫)の英訳本がJPIC(出版文化産業振興財団)より刊行されました。すでに多くの著書が中国語・韓国語に翻訳されているセイゴオにとって、英訳書はこれが初めて。

 

(英訳版)『花鳥風月の科学』の表紙

 

第1章「山」の見開きページ

 

1994年に刊行された『花鳥風月の科学』は「山・道・神・風・鳥・花・仏・時・夢・月」という10のテーマを通して、日本文化にひそむイメージの起源を探った一冊、1982年に朝日カルチャーセンターでおこなったセイゴオによる講義をもとに再構成したものです。「花鳥風月」は自然の景物を取り込む意匠感覚であるだけではなく、日本人のコミュニケーションのためのプログラムでありインターフェースであるというセイゴオ独自の日本文化論には今なお多くの愛読者がいます。

 

『花鳥風月の科学』左:中公文書(2004)右:淡交社(1994)

 

今回の翻訳出版は、内閣府主導のもとで2014年から行われている事業の一つとして実施されました。文化のみならず、政治・外交・思想・社会・科学技術・自然科学など幅広い分野における日本人の著作を英訳し、海外に発信していくことで、より深い「日本」理解の促進を図ることを目的としています。“JAPAN LIBRARY”というシリーズとして、これまでJPICから約30タイトルが発行されています。

翻訳を担当したのはデヴィッド・ノーブルさん。専門は日本思想史、日本の歴史で、デザイナー、抽象画家、写真家でもあり、日本人著作の英訳実績は20数冊に及ぶというスペシャリストです。

 

セイゴオは、新たに英語版のために書いたまえがきに、

“For decades I have been fascinated by the range of possibilities inherent in the capacity to sense the limitless gradations of subtle change.”

と記し、日本文化の「わずかな変化に無限のグラデーションを感知する方法」の可能性について触れています。

 

英訳されたセイゴオの著者情報

 

『FLOWERS, BIRDS, WIND, AND MOON The Phenomenology of Nature in Japanese Culture』
定価:3740円(税込)

 

 

Contents

CHAPTER 1 ― MOUNTAINS
CHAPTER 2 ― PATHS
CHAPTER 3 ― DEITIES
CHAPTER 4 ― WIND
CHAPTER 5 ― BIRDS
CHAPTER 6 ― FLOWERS
CHAPTER 7 ― BUDDHAS
CHAPTER 8 ― TIME
CHAPTER 9 ― DREAMS
CHAPTER 10 ― MOON

 

文:西村俊克