- 2023.02.08 REPORT
-
【REPORT】暖簾と兎と沖縄と―セイゴオの大寒誕生日
1月25日、セイゴオが79歳の誕生日を迎えました。大寒(だいかん)に近い誕生日とあって、例年セイゴオの誕生日前後は大雪や寒波に見舞われがちです。今年はなんと10年に一度ともいわれるほどの最強寒波襲来と重なってしまいました。しかもその数日前にセイゴオが体調不良を起こし軽い肺炎に罹っていることが判明、大事をとって仲間たちによるお祝い会は延期となり、ちょっとしんみり誕生日になってしまいました。
そんな事情とはべつに、毎年この時期に花束やとっておきの細工物やセイゴオ好みの定番を送ってくださる皆様から、今年も数々の品が届き、セイゴオの心身を温めてくれました。
名古屋でヴァンキ・コーヒーロースター店を営む小島伸吾さん・貴子さんから、オリジナルパッケージのセイゴオコーヒーとお菓子の詰め合わせ。
同じく小島さんイラスト・デザインの暖簾。目力がやたら強烈なエディットテロリスト・セイゴオと、ラディカル・メッセージの放列。セイゴオの書斎入り口に取り付けてみたら、人を招きたいのか、追い出したいのか、よくわからなくなった。
なんとか肺炎を癒して数日ぶりに出社したセイゴオ、ただごとならない暖簾をくぐって、「は~い、心配かけたねえ」と、お茶目な表情を見せる。
書斎の中では、九天玄氣組による雑誌「卯」がセイゴオを待ち構えていた。工作舎時代のセイゴオの伝説的雑誌「遊」創刊号を擬いている。
九天玄氣組が総力を結集して編んでいる「卯」の内容。こちらは、先ごろ当チャンネルで紹介した九天年賀2023「山笠本棚」との連動企画。山笠に飾られた全68冊のミニ本のコンテンツとともにメイキング写真も。見開きページの左が組長の中野由紀昌。
九州こそが日本の本島であり「本の島」であるという九天玄氣組の“プロパガンダ”がゆかしく並ぶ特集トビラ。錚々たる書き手たちがアジアの風をまとって綴るエッセイや、九州しばりで千夜千冊や本からの引用を一日一本あげつづけた「九州日めくり企画」などなど、熱量の高い記事が並ぶ。
組員一人ひとりのプロフィールを「33冊の本」によって紹介する企画も。松岡正剛校長の世界読書思想を分有している面々とあって、重厚長大濃密本がずらりと並ぶ。
あいかわらず寒波続きですが、セイゴオの回復を待って、如月某日、ようやく松岡正剛事務所・編集工学研究所・百間の有志による誕生会も開催できました。場所は赤坂の沖縄懐石店「譚亭」(たんてい)。以下、百間の企匠こと富田拓朗さんが自慢のライカで写し取ってくれたセイゴオと仲間たちの「陽だまりふう」のひとときをご紹介。
土壁と掘りごたつの小座敷で、晴れない誕生日を迎えてしまったセイゴオの胸の内を聴く。
繊細な味付けが施された沖縄懐石と泡盛を楽しみながら、セイゴオの健康を願って語らう面々(写真左から百間の和泉佳奈子代表、EELの安藤昭子代表、イシス編集学校の木村久美子月匠)。
セイゴオの弟子となって50周年という木村久美子から、サプライズ・プレゼント。グラフィックデザイナー・画家の菊地慶矩さんによる切り絵作品(この作品の詳細は後日、当チャンネルで紹介します)。
ヴィヴィアン・ウエストウッドの帽子、今治のタオル、フジタカのバッグ、ドゴン族の藍染ファブリック……。セイゴオ好みを探りながら選ばれたプレゼントを、ぜんぶその場で身に付けていくセイゴオ。
二週間遅れのセイゴオの誕生祝いを終えて、みんなからも安堵の笑みがこぼれる(撮影担当の男性陣も、写真のこちら側で顔をほころばせていた)。
記事:太田香保
撮影:寺平賢司(暖簾・「卯」) 富田拓朗(誕生会)
最新情報