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2021.01.22 PUBLISHING

岩波新書『江戸問答』が刊行されました

1月20日、田中優子さんとセイゴオの対談本『江戸問答』(岩波新書)が刊行されました。本書は、2017年に刊行された『日本問答』の姉妹本となります。

 

全376ページと、『日本問答』よりもさらに厚くなった。

高帯には問答をふっかけ合う二人の2ショットも。

 

『日本問答』では、日本の歴史文化を古代から現代まで、縦横無尽に点検しながら、セイゴオのコンセプトである「日本という方法」や「日本の面影」を再発見していく対話が展開しました。

 

今回の『江戸問答』は、「1 面影問答」「2 浮世問答」「3 サムライ問答」「4 いき問答」の4つの章立てで、現在のコロナ禍も含めた日本のさまざまな問題を解く方法を江戸社会や江戸文化に求めつつ、近代以降に日本が失ったものを徹底的に追究しています。

 

江戸の融通無碍な多様性をなぜ日本人は捨ててしまったのか、江戸文化論はあるのに江戸文明論がないのはなぜなのか、日本が誇るべき教育システムはかつてあったのか、『武士道』が描いた武士は本当に存在したのか、近代以降の文学はなぜ「私ごと」ばかり描くようになったのか……。相互に難問奇問を投げかけあいながら、日本がいま取り戻すべき方法論を探るスリリングな対話が展開していきます。

 

なんと帯の表4にも、問答をふっかけ合う二人の2ショットが。

この帯の写真をあしらったPOPが書店の売り場にお目見えする予定。

 

――有機的なつながりをもった文明論をばらばらにしたうえで、個々の要素を良いとか悪いとか言っても文明批評にはなりません。デュアル、編集力、幕末明治の緊急時などをたよりにしながら、江戸文明を言葉にしたかったのです――田中優子 あとがきより

 

――令和の世にいても、たえず江戸の思索や表現の事情は現在化したくなるものなのだ。江戸は決して遠くない。われわれの日々のかわたらのバックミラーには、いつも西鶴や近松や、百鬼夜行絵巻や南総里見八犬伝が遠近のサイズを変えながら映ったままになっているはずなのだ――松岡正剛 あとがきより

 

文:太田香保