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2019.09.09 PUBLISHING

千夜千冊エディション最新刊『神と理性』が刊行されました

千夜千冊エディションの最新刊『神と理性』が刊行されました。今回は10月25日刊行の『観念と革命』とあわせて、「西の世界観」ⅠⅡと題し、2冊にわたって2000年におよぶヨーロッパ思想の特色と変遷を一望します。

Ⅰとなる『神と理性』では、プラトン、アリストテレス、エピクロスからオリゲネス、アウグスティヌスを経て、ホッブス、ライプニッツ、スピノザ、ルソー、エドマンド・バークに及ぶ30人あまりの著作を並べ、18世紀までの西洋がどのように「理性」による精神遍歴をとげてきたのかを明らかにします。

なぜ「理性」がキリスト教の神と結びつき、国家の理念になったのか。そこに「合理」がどのように確立されていったのか。カトリックとプロテスタントの分離によって、ヨーロッパはなぜ「合理の奪いあい」(理性の戦争)にむかっていったのか。

セイゴオの編集力によってヨーロッパの世界観を動かしたヴィジョンの葛藤と変節があぶり出され、これまで以上にディープで多重多層な1冊がエディションされました。続く、西の世界観Ⅱ『観念と革命』では、カントやニーチェ、サルトル、ハイデガー、レヴィ・ストロースといった近現代の哲学者を取り上げる予定です。

哲学とは「割れ目」によって世界観を提示することだ。自然の割れ目、人間の割れ目、社会の割れ目である。誰かが「割れ目」を見出すと、誰かがそこを埋め、零れたものを点検し、別の「分け目」にすることを主張する。その繰り返しなのだ。(追伸より)

 

『神と理性』
目次 : 

第1章 神と王の国(プラトン『国家』七九九夜/ アリストテレス『形而上学』二九一夜 ほか)

 

第2章 理性による世界作成(フィリップ・レクリヴァン『イエズス会』二二二夜/ 大木英夫『ピューリタン』六二〇夜 ほか)

 

第3章 西洋哲学史略義(フリードリッヒ・ヘーア『ヨーロッパ精神史』一七〇五夜/ フリードリッヒ・マイネッケ『歴史主義の成立』六一夜)

 

第4章 啓蒙と変革の庭(ミシェル・ド・モンテーニュ『エセー』八八六夜/ ヴェレーナ・フォン・デア・ハイデン=リンシュ『ヨーロッパのサロン』四七四夜 ほか)

 

文:寺平賢司