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全宇宙誌

1979年10月20日 工作舎 造本:杉浦康平

 松岡正剛と杉浦康平を中心に、7年の歳月を費やしてつくられた空前絶後のブックコスモスを映像化。「本そのものが宇宙それ自体であるような一書」というコンセプトを繙いていくように、漆黒の一冊の隅々にまで配されたエディトリアル・デザインの極致をクローズアップしていく。冒頭の「回転する宇宙から話がはじまる」を構成のヒントにした。

撮影・編集川本聖哉

カメラCANON R5 スコープカメラ

レンズSIGMA 50mm f/1.4 DG HSM/Art,
EF100mm f/2.8 macro,
EF24-105mm f/4 L IS,
RF24-105mm f/4 L IS

ライティングLEDライト 懐中電灯(LED) 自然光

動画撮影モードFHD 1920x1080 23.98fps

本書の巻末折込の銀箔の少年が手に広げている図版の帆船は、夜空の星たちの輝きを頼りに進路を定めているのだろう。そうであるならば、今回の撮影は何を頼りに進路を定めるべきか。

『全宇宙誌』への航海が始まったのは2022年の初春だった。ずっしりと重い本書を手に持ちめくっていくと、松岡さんと杉浦さんが7年もの歳月をかけてつくり上げた漆黒のブックコスモスが眼前に広がった。

その冒頭に松岡さんの「回転する宇宙から話が始まる」という言葉があった。圧倒的な図版を前にしてめまいを感じながら、すがるようにしてその言葉を頼りに航海を始めた。

音楽村上史郎

《particles dance in mind》

音楽家。2015年 phrasey dance 『影向 yowgow』(田中泯+松岡正剛 PARCO劇場)、2020年『村のドン・キホーテ』(田中泯+松岡正剛 東京芸術劇場)および2022年『外は、良寛。』(田中泯+松岡正剛+杉本博司 東京芸術劇場)において音をつとめる。 本作ではマーティン・ガードナー、バックミンスター・フラーなど、『全宇宙誌』に言葉を寄せた科学者たちが宇宙を語る実音声を骨格に、本書のもつ情報力と引力の音化につとめた。

音楽mamoru

《sacrifice》《disturbing mind》《sekai no kizashi》

アーティスト。日常的な物や行為による微かな音、過去・現在・未来および架空の音風景を探求しつづける。跳躍的な想像と綿密なリサーチによって、あり得る/あり得た歴史などをテーマとした映像、パフォーマンス、インスタレーション作品を制作。国内外のギャラリー、美術館、フェスティバルなどで発表。
http://www.afewnotes.com

*作品(ギャラリーHPより)https://yukatsuruno.com/gallery/artists/mamoru

タイプディレクション穂積晴明

編集工学研究所デザイナー。Z世代として松岡正剛・杉浦康平の圧倒的な編集デザイン思想を継承するべく、言葉とイメージの関係を探求している。册影帖ではタイプディレクションと英文訳出を担当。宇宙線のように時代を超えて届く引用に相応しい文字や効果を検討した。

使用書体は「A-OTF太ミンA101 Pr6N」、「A-OTF UD黎ミン Pr6N」、「A-OTF 秀英初号明朝 撰」、「A P-OTF 凸版文久ゴ Pr6」ほか。

エンディング曲

ドミートリイ・ショスタコヴィッチ 「ジャズ組曲」よりワルツ2番

ピアノ演奏:上杉公志

*JASRAC許諾番号:V-2219263