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2020.11.06 REPORT

エディットタウンついにお披露目―角川武蔵野ミュージアム内覧会

11月4日、角川武蔵野ミュージアムにおいて、関係者のための内覧会が開催され、セイゴオが自ら構成を監修した4Fの「エディットタウン」もついにお披露目されました。セイゴオのディレクテョンのもと、ET1「記憶の森」からET9「個性で勝負する」まで全9つの独自のカテゴリーごとに選書の腕を振るったメンバーたち、さらには天井部を埋め尽くす勢いで設置された多様なデザインワーク「リコメンドルーフ」を担ったデザイナーたちも次々に駆けつけ、稠密に布置されたブックウェア空間を堪能していました。

 

ミュージアム2Fのロビーでは、館長を担うセイゴオをはじめ、ミュージアムの運営を担う各部門リーダーや、作品を出品したアーティスト、また5Fに設営された「武蔵野回廊・ギャラリー」を監修する赤坂憲雄さんなどが次々と登場して、それぞれ開館に向けての挨拶を述べるセレモニーも行われました。

 

セイゴオは、「角川武蔵野ミュージアムは、角川歴彦会長の想いと理想があらゆるところに混在し複合化された、私立ならではのユニークなミュージアムである」と語り、幅広い雑多性を誇る「ハイ&ロー・カルチャー」ミュージアムとしての魅力をアピールするとともに、とくに「エディットタウン」に込めた「連想=アソシエーション」の重要性を強調しました。

 

角川武蔵野ミュージアムは11月6日をもってグランドオープンとなります。来場の際は、事前に予約申し込みをしていただくか、当日受付でチケットを購入してください。くわしくは下記の公式HPをご覧ください。

https://tix.kadcul.com/

 

エディットタウンのエントランス。ET1~ET9の各カテゴリーを象徴する全集本などがレイアウトされている。

 

隈研吾さん設計の本棚に大小の本がびっしりと配架されている。天井部にはデザイナー競作によるさまざまな形状のリコメンドルーフが次々と登場する。

 

ET1「記憶の森へ」の棚(選書リーダー:小西明子さん)。地球のおいたちを解明するサイエンス本などとともに、人類が伝承してきた神話・物語本が絶妙にまぜこぜになりながら、「記憶」の場所を刻印していくように構成されている。ETの大見出しは、松田行正さんデザインのアイコンをあしらったもの(大見出しサインデザインは佐伯亮介さん)

 

ET6「男と女のあいだ」(選書リーダー:大音美弥子さん)では、生命と「性」の誕生にはじまり、動物学と動物文学が、少年少女文学と傑作ラブロマンスが、欲望とエロスとゲイカルチャーが、危うく妖しい接点を見せながら展開していく。

 

各ETカテゴリーは15~25ほどのサブカテゴリー(小見出し)に分かれ、さらにそれぞれのサブカテゴリーの中は、特製の「豆本」とカードによって表示される「ステップワード」とキャッチコピーによって、文脈が案内される。キャッチコピーはすべてセイゴオが編集した。

 

内覧会開始前に、天高8メートルの「本棚劇場」に埋め込まれた映像とプロジェクションマッピングの最終確認をするセイゴオと和泉佳奈子ほかミュージアムの運営スタッフ。「本棚劇場」には角川の歴史とかかわりの深い作家たちゆかりの本が並ぶ。

 

2Fロビーで行われた関係者向けのセレモニーの様子。セイゴオは館長としてミュージアムのコンセプトなどについて語った。

 

駆けつけた選書メンバーに、ステップワードのサインと豆本を手にとって説明するセイゴオ。左はET3「むつかしい本たち」をはじめ主にサイエンス本や学術本で際立った選書の腕を振るった小川玲子さん。右はET4「脳と心とメディア」・ET5「日本の正体」で水ももらさぬ選書リーダーぶりを発揮した田原一矢さん。

 

「千夜千冊エディション」のデザイナー町口覚さん(写真右)と浅田農さん(写真左)も、レコメンドルーフ競作に参画。「エディション」のシンボルである「字紋」が大小の立体オブジェや映像になって大活躍する様子に、すっかりご満悦。

 

浅葉克己さんもマスク姿で駆けつけて、前代未聞の本棚空間に感心しながらセイゴオとしばし歓談。浅葉さんのレコメンドルーフもこのあと制作に入ることになっている。

 

 

構成:太田香保

写真:後藤由加里・寺平賢司