セイゴオちゃんねる
最新情報最新情報
2019.10.28 PUBLISHING

千夜千冊エディション最新刊『観念と革命』が刊行されました

千夜千冊エディションの最新刊『観念と革命 西の世界観Ⅱ』が刊行されました。前書『神と理性 西の世界観Ⅰ』に続き、本書では19世紀のドイツ観念論から20世紀前半の構造主義までを扱います。

西の現代史に刻まれたドイツの二度の敗戦と逆上をふまえつつ、カント、フィヒテ、ヘーゲルの観念哲学、ショーペンハウアーとニーチェのシナリオをめぐり、さらにマルクスとハイネ、レーニンとトロツキー、フッサールとハイデガー、サルトルとカミュを対比させながらヨーロッパの人間社会の「喘ぎ」と「変奏」と「唐突」を綾模様に構成しています。

近現代の思想が「世界」を果敢に再解釈しようとした「沸騰の軌跡」を浮上させ、西洋の基本概念をつくった哲学者たちのエスプリに迫ります。

「(西洋知における)社会的な活動を勁い思想でかためるというやりかたには、麻薬のような昂奮とともに、患部の治療にかまける医療性がつきまといすぎるのだ。もっとポリフォニックな編集力を展いておいてほしかった。」
「ドイツが何をもたらしてきたかということが気になる。とくに観念哲学である。イギリス経験論、フランス実存主義もそうだけれど、ぼくが読んできた印象では、これらはむしろエスニ―(民族的文化性)にもとづいていたはずなのだ。西洋知はもっと早くそのことを白状したほうがよかったのである。」(追伸より)

『観念と革命』
目次 :
第1章 ドイツという観念
ヴォルフガング・ゲーテ『ヴィルヘルム・マイスター』970夜/ヨハン・ゴットリーブ・フィヒテ『ドイツ国民に告ぐ』390夜 ほか

第2章 神は死んだのか
マックス・フォン・ベーン『ビーダーマイヤー時代』678夜/ アルトゥール・ショーペンハウアー『意志と表象としての世界』1164夜 ほか

第3章 青年・戦火・革命
ベイジル・リデル=ハート『第一次世界大戦』643夜/ウォルター・ラカー『ドイツ青年運動』749夜

第4章 危機の二十世紀哲学へ
エトムント・フッサール『間主観性の現象学』1712夜/ アンリ・ベルクソン『時間と自由』1212夜 ほか

文:西村俊克